研究課題/領域番号 |
21360400
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本多 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70209328)
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研究分担者 |
大河内 美奈 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (70313301)
加藤 竜司 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50377884)
式田 光宏 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80273291)
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キーワード | 磁性微粒子 / 細胞アレイ / 1細胞解析 / パターニング / 微細加工 |
研究概要 |
細胞組織や異種細胞との相互作用に基づく1細胞解析を目標に、磁気細胞パターニング法を用いた細胞の形態・運動などの表現型変化の検出、イメージングと顕微鏡観測等による1細胞分析方法の基盤技術の確立のため、以下の研究を実施した。 1)ペプチドアレイ上での1細胞解析:ペプチド固定ガラス表面での培養と形態変化について検討した。 肥満細胞(RBL-2H3)の抗DNP-IgE刺激による脱顆粒反応に注目した。わずか500細胞/wellの条件でカルシウムインジケーター(Fluo-4,AM)によるカルシウム流入が検出でき、またDNP-BSA 40ng/mlで抗原刺激を抑制できた。この結果は、少数のパターニング細胞でも細胞機能が検出できることを示唆している。 2)画像解析を用いた細胞機能解析:ヒト線維肉腫細胞HT-1080に対してRhoA siRNA、Rac1 siRNAを遺伝子導入し、その細胞機能変化が画像解析で検出可能であることを確認した。実際に、位相差画像を重回帰分析した結果、E11.form factor(楕円形度)の0hから48hの変化量で最も違いが現れることが分かった。 3)細胞機能解析法の具体例開発(がん細胞の機能解析):各種がん細胞の磁気ラベルを行い、磁気剣山状アレイを用いマイクロ磁場制御でパターニングし、コラーゲンゲルで包埋して3次元培養し、ゲル内の浸潤増殖を評価した。各種のがん細胞で磁気パターニングに成功し、間質細胞との混合培養系の構築にも成功した。また、間質細胞がある場合、抗がん剤に対する応答が変わり、増殖は抑えられるものの、細胞から多数の細い足(糸状仮足)が伸びていることがわかり、新しい細胞現象を見出したと思われる。さらに細胞をパターニングした培養器の中心に、抗がん剤封入エマルジョンを配置し、薬剤感受性を調べた。この方法で、薬剤濃度を1000倍以上変化させることができることを明らかにした。
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