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2010 年度 実績報告書

リグニン分解能を有するバクテリアによるセルロース系バイオマスの生物的前処理

研究課題

研究課題/領域番号 21360403
研究機関関西大学

研究代表者

片倉 啓雄  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50263207)

キーワードUreibacillus thermoshaericus / 生物的脱リグニン / バイオマス / Mn-peroxidase / コーンコブ / guaiacol / caffeic acid / pyrogallol
研究概要

リグニン分解能を持ち、糖を全く資化しないUreibacillus thermoshaericusによるバイオマスの省エネ低コスト脱リグニン技術を確立するため、本菌が生産するリグニン分解関連酵素を特定した。
本菌の培養上清に含まれるタンパク質を二次元電気泳動で分離し、ペプチドフィンガープリントを行ったところ、S-layer protein、proteaseの他に、oxidaseと推定されるタンパク質が同定できた。培養上清から、リグニン基本骨格と類似構造を持つguaiacol、caffeic acid、pyrogallolを発色させる酵素を陰イオン交換クロマトグラフィーで分画したところ、caffeic acidおよびpyrogallolを基質とする酵素活性は同じ画分に溶出したが、guaiacolを基質とする酵素活性は異なる画分に溶出した。前者の活性画分を回収し、さらに疎水クロマトグラフィーで精製した後、native PAGEで分離し、pyrogallolで活性染色したところ、2本のバンドが観察された。うち一本は酸化還元関連酵素で、残りの一本はこれまでに報告がないタンパク質であった。また、二次元電気泳動ゲルを活性染色したところ、S-layer proteinの大きなスポットの近傍に染色スポットがあり、分子サイズから考えて上述の3つのタンパク質とは異なるものであった。以上のことから、oxidaseが過酸化水素を供給し、他3つの酵素(何れもperoxidase活性をもつ)が環境中の低分子をラジカル化することで、リグニンを分解していると考えられた。
今後は上述の4つのタンパク質をクローニングして大腸菌等で発現させ、再構成系を構築するなどしてU.thermoshaericusの脱リグニン機構を解明するとともに、その能力の増強を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://microbial.life-bio.kansai-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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