研究概要 |
レーザー核融合ロケットの研究においては、最近では、Livermore国立研究所のグループが、概念設計例「VISTA」に関するレポートを公開している。しかしながら、推進力獲得の実証に最重要課題である、磁気ノズル中のプラズマ挙動については、殆ど議論がなされていない。 ここでは、阪大レーザー研のEUV(極紫外光)生成装置を利用し、スラスト・スタンドを用い、推力の直接測定を行った。世界初の試みである。測定された、インパルスビットはレーザー1Jの入力に対し約2μNsと推定された。これで原理的にスラスト・チャンバー(磁気ノズル)が働くことが確かめられた。 さらに、大型レーザー装置(激光XII号)を用い、テストランを行った。ここでもスラスト・スタンドを用い、推力の直接測定を試みた。測定された、インパルスビットはレーザー550Jの入力に対し約6mNsと推定された。これにより、計測装置の配置法、データの処理法等、本実験のための貴重な経験を積むことが出来た。 今後は、本格的な推力測定実験を大型レーザー装置を用いて行う予定である。更に,シミュレーションも行い、実験結果と比較する。このようにして、磁気ノズルでの推力生成のメカニズムを解明して行く。そして、最適な磁気ノズルを提案するのが次の目標である。 この他に、プラズマ・デタッチメントの検証、概念設計、開発のロードマップ作成にも挑む。
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