研究概要 |
パルス的に生成される高温のプラズマと磁場との相互作用を明らかにし,レーザー核融合ロケットの原理を実証するために,コイルによって生成した磁場中の核融合プラズマを模擬したレーザー生成プラズマの振る舞いを観察した.これと並行し,生成されたイオンの速度分布や価数を測定し,これまで開発してきたプラズマと磁気ノズルの相互作用解明のための数値解析コードを検証した.数値解析はレーザーとプラズマの相互作用を解析するための一次元放射流体コードおよび磁場とプラズマの相互作用を解析する3次元ハイブリッドコード,さらにこの二つのコードをカップリングさせるためのコードの三つのコードを用いた. 磁場との相互作用において,コイル側の強磁場側でプラズマの磁力線を横切る運動が抑制されることが確認された.しかしながら,観測されたイオンは50km/sと遅いものであり,高速のイオンはコイル軸上を抜けていくことが確認された.また,イオンの速度は価数によってピークが異なるが150-250km/sの速度分布が観測できた. 一方,数値解析の結果も同様に,コイル側で急峻な密度変化が見られ,またかなりの数のイオンがコイル中心部から抜けていくことが観察された.また速度分布やイオン密度等も計測値とオーダーで一致し数値解析の妥当性が示せたといえる. 性能向上には,コイル中心を抜けていき,磁場と干渉しないイオンを減らすために,コイルの角度の変更や磁場強度の増加もしくはコイルのサイズの変更が必要であることがわかった.
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