研究概要 |
22年度に予定した実験室の整備と実験装置の組み立て並びにその安全対策はほぼ完了した・年度内に予備実験などを予定していたが,大震災の影響もあり,データが得るまでには至っていない. 実験と並行して行われた数値解析は多くの成果を得ている.バイオ燃料として,バイオエタノールとヤシ油を考えているが,バイオエタノールに関しては,その詳細反応モデルの開発ならびに火炎速度や着火時間遅れなどの特性に対する評価がなされ,バイオエタノールの1000の素反応からなる詳細反応機構を簡略化した約200反応機構を開発し,「バイオ燃料の化学反応モデルの数値解析」という題目で学会発表を行っている.また,簡単な1段階のエタノール反応を用いてデトネーションの限界を調べ,「バイオ燃料のデトネーション限界」という題目でも学会発表を行っている・複雑なバイオ燃料に対しては,その反応機構を開発するために非常な労力が必要であるが,今回パームオイルに対して,どのように反応機構を構築したら良いかを研究し,パームオイル燃料に対して代替になる燃料を発見し,200素反応ぐらいに簡略化された反応機構を初めて開発した.この結果は「パームオイルの代替燃料の妥当性」という題目で学会発表がなされている.さらに,デトネーションの基礎と応用に対する研究をその詳細反応機構が小さい水素燃料を使って行い,15件以上の発表をした.その中には,バイオ燃料を使用できると考えられているデトネーション応用のパルスデトネーションエンジンやローテーティングデトネーションエンジンの研究が含まれ,エタノールやパームオイルが応用された場合に,どれだけの性能を出せば良いかなどやどのような点に問題があるかなどの問題点等が明確化された. 23年度には,これらの結果をもとに,バイオ燃料の実験との比較やその応用性を明らかにする.
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