研究課題
本研究では、精密な単独測位や新たな相対測位アルゴリズムおよびその実用化、GNSS測位と慣性航法システム(INS)との実用的な複合測位アルゴリズムを導出することを目的としている。平成23年度は、下記のような研究成果を論文として公表、学会において口頭発表を行った。1、異常データの検出等を含む実用的な測位アルゴリズムの導出本研究課題では、GNSS線形回帰モデルに基づく精密単独測位および相対測位アルゴリズムの導出を行ってきた。本年度はこれらの成果に基づき、特に実用的なGNSS測位を行うという見地から、GNSS受信機で観測されるコード擬似距離や搬送波位相観測量に含まれるサイクルスリップ、マルチパス、観測データの欠損などの異常データ検出アルゴリズムとそのデータの棄却を行う測位計算処理アルゴリズムを導出した。また、異常データが正常に復帰したかどうかの判定処理と、復帰に伴う測位計算処理アルゴリズムを導出した。これらは、基本的に測位演算で用いられるカルマンフィルタやガウスサムフィルタのイノベーション過程に対する仮説検定に基づく方法であり、走行中の自動車で受信した実観測データを用いて、導出したアルゴリズムの有効性を検証した。その結果、上記のような異常データが頻出する厳しい受信環境において、一定の測位精度改善が確認できた。2、GNSS/INS複合測位アルゴリズムにおける非線形フィルタリングGNSSと慣性航法システム(INS)の複合測位においては、非線形フィルタリング理論の適用が必要となる。平成23年度においては、等価線形化法とガウスサムフィルタを複合させた新たな非線形フィルタを導出し、種々の非線形フィルタとの比較実験を行うことで、導出した非線形フィルタの有効性を示した。また、無線電波強度による屋内測位アルゴリズムを最尤推定法に基づき提案し、INS以外の他のセンサネットワークを利用したシームレスな測位方法についても研究、検討を行った。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (12件)
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