研究概要 |
平成21年度は,比重約0.2~1.5までの各種CFRPを製作し,その成型技術を構築するとともに高エンタルピ加熱試験による基本的な熱防御性能を取得した. 平成22年度は,それらCFRPの非線形温度物性を取得し,超高温材料研(JUTEM),JAXAおよびドイツ航空宇宙研究所(DLR)で0.5MW/m^2~11.0MW/m^2までの広範囲な条件で熱防御特性を取得した.特にドイツでの試験では昇華損耗を確認するなど,極めて有用な試験結果を取得できた. 本年度:は,比重約0.3のCFRPを製作しドイツDLR,JAXAならびにJUTEMで加熱試験を行い,材料表面の温度や損耗,内部の温度や質量減少の詳細データを取得した. JAXAおよびJUTEMでの試験結果から,CFRPは加熱表面付近の密度が大きく,深くなると密度が小さくなり,さらに深くなると再び密度が上昇する現象を確認でき,超軽量CFRPの炭化層内で発生するコーキング現象を捉えることができた.この知見により,超軽量CFRPの緻密な密度空間分布の予測が可能となった.さらに,本年度は超軽量CFRP専用の一次元および三次元熱数学モデルも作成し,これに現在までに測定した熱機械,熱化学的特性を入力してアブレーション熱解析を実施した.表面および内部温度の一次元解析結果は測定結果に一致し,超軽量CFRPを熱防御材に採用した宇宙機の熱構造設計のアブレーション熱解析を可能にした. 現在,平成21年度から平成23年度までのこれら研究成果は,輸送機制動材料の開発に活用しており,所期の研究目的を完全に達成することできた.
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