研究課題
2012年に国際海事機関(IMO)で世界標準として策定されようとしている、波浪中船舶の復原性の物理則ベースの評価法を、我が国から発信提案するため、船舶の主要転覆シナリオ(パラメトリック横揺れ、追波中復原力喪失現象、デッドシップ状態の復原性、ブローチング)について、評価手法の提案とその検証に取り組んだ。まず、パラメトリック横揺れについては、波浪中復原力計算を要しない簡易評価法、等価規則波中平均化法を用いた準簡易評価法、不規則波中の時間領域シミュレーションによる直接評価法の3段階のセットを提案し、実際に事故を起こしたコンテナ船を例にとりその評価法間相互関係を定量化した。そして、模型実験によりその検証を行った。また、パラメトリック横揺れに与える波浪抵抗増加の影響を理論計算により明らかにした。次に、追波中復原力喪失現象について、波浪中復原力計算を要しない簡易評価法、等価規則波中復原力計算を用いた準簡易評価法、不規則波中の時間領域シミュレーションによる直接評価法の3段階のセットを提案し、高速カーフェリーを例にとりその評価法間相互関係を定量化した。そして、模型実験によりその検証を行った。そして、デッドシップ状態の復原性については、数値シミュレーション・モデルの改良により、一定風および不規則波中の物理模型実験と転覆確率のレベルでも良い一致を得ることができた。さらに、ブローチングについては、その必要条件である波乗りの不規則波中での発生確率推定理論を、高速カーフェリーについて数値シミュレーションにより検証した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 4件)
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