研究課題
現在、国際海事機関(IMO)で世界標準として策定されようとしている、波浪中船舶の復原性の直接評価の仕組みを、我が国から発信提案するため、船舶の主要転覆シナリオ(パラメトリック横揺れ、追波中復原力喪失現象、デッドシップ状態の復原性、ブローチング)について、物理則ベースの評価手法の創出とその検証を、確率論的、非線形力学的、制御工学的理論と模型実験により取り組んだ。まず、パラメトリック横揺れについては、複数の船型について試計算を行い、昨年度提案した、波浪中復原力計算を要しない簡易評価法、等価規則波中平均化法を用いた準簡易評価法、不規則波中の時間領域シミュレーションによる直接評価法の3段階のセットを考え、その間の安全レベル(転覆確率)の整合性について検証した。次に、追波中復原力現象について、自由航走模型実験を行い、昨年度提案した不規則波中の時間領域シミュレーションモデルを改良し、その結果を反映した基準案を検討した。そして、デッドジップ状態の復原性については、昨年度の一定風および不規則波中の物理模型実験に続き、不規則風および不規則波中の物理模型実験を行い、区分線形近似法による横波横風中の転覆確率推定理論および不規則風波中の時間領域シミュレーションによる直接評価法の検証を行った。さらに、ブローチングについては、複数の船型について模型実験を行い、昨年度提案した、船速と長さのみによる簡易推定法、波乗り確率による簡易推定法について、実験的検証を行った。そのうえで、望ましい安全レベル(転覆確率)の設定を行った。これらの検討をもとに、4つのモードの復原性評価法案を提案した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 9件)
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