研究概要 |
本研究は、大気環境の速い変化を計測可能な三次元リアルタイムレーザーレーダー(ライダー)技術を世界に先駆けて開発することを目的としている。具体的には、新規のレーザー材料や増幅方法により従来にない高い繰り返しで動作する高出力レーザー光源を開発する。さらに、同光源を高感度観測装置と組み合わせ三次元リアルタイムライダーを試作する。これまで、最も難関であった高出力・高繰り返しのレーザーシステム開発に注力してきた。レーザー材料として従来のガラスやYAG結晶に替えてセラミック材料を新たに採用し動作時の熱影響を低減させ、また、セラミクスの高い加工成形特性を利用して独自のレーザー増幅器の形状を設計することで高い廃熱効果を得た。この結果、0.15J,100Hzのレーザーシステム開発に成功した。これは世界トップレベルである。コスト面の制限により0.01Jの出力であるが、500Hz動作も実現している。本レーザー増幅器はエネルギースケーリングに優れているためいっそうの高出力化が期待できる。今年度は、最新の受光素子と光学技術の組み合わせによって空間的に分布する対象物質からの散乱光を高速処理できる空間スキャンによる受光システムを開発し、光源と組み合わせてシステム化する。
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