研究課題/領域番号 |
21360455
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
田中 謙治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (50260047)
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研究分担者 |
村岡 克紀 中部大学, 工学部, 教授 (80038546)
森下 一男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
久保 伸 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80170025)
下妻 隆 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (80270487)
西浦 正樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (60360616)
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キーワード | 協同トムソン散乱 / 高速イオン / ジャイラトロン / LHD |
研究概要 |
本研究では新しい高速イオンを空間分解良く高精度で計測する手法として高出力マイクロ波光源を用いた協同トムソン散乱による計測手法の開発を進めている。本研究は3年間の計画のうち最初の2年間で計測システムを完了し最終年度で物理データを取得することを目指す。高速イオンの温度、密度の局所計測手法の確立を第一の目的とし、付随して計測されるバルクイオンの計測もターゲットとする。平成21年度は32チャンネルの初期システムを立ち上げスペクトルの全体像を計測して次年度以降の本格システムの設計データを蓄積した。核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)において加熱用の77GHz,1MWジャイラトロンを入射し、入射ジャイラトロンの周波数に対して+-3GHz程度の周波数広がりを持つ散乱信号を取得した。バルクイオンを反映する周波数の低い成分(^-+-0.6GHz)はイオン温度の増加に伴い、スペクトル幅が広がる傾向を観測し、イオン温度の上昇と定性的な一致を示した。一方、高速イオンの反映する高周波成分(+-0.6^-+-3GHz)は信号は小さいがジャイラトロンを周期変調することにより有意な信号を取得することができた。また、これら高周波成分はNBIの入射パワーをON-OFFした場合、パワーの変化に応じて信号強度が変化しており、定性的に計測信号が高速イオン成分を反映していることを観測した。バルクのイオン温度、高速イオンの密度を定量的に評価するために液体窒素で感度較正を行った。しかしながら、現状の較正値を用いたバルクイオン温度および高速イオン密度の定量的評価は評価エラーが大きく、他計測とのクロスチェックに至っていない。平成22年度はバルクイオンを計測する低周波成分についてはチャンネルを増設すること、および高速デジタルオシロスコープにより連側的なスペクトルを計測しバルクイオンの計測精度の向上を目指す。一方、高速イオン密度を反映する高周波成分は背景ノイズの影響を定量的に評価するために散乱体積をゼロから最大までスキャンできるシステムに改造し、この領域においても散乱信号を局所的に計測できていることを確認する。
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