研究課題/領域番号 |
21360457
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
東井 和夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20093057)
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研究分担者 |
長壁 正樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (90280601)
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (00300731)
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キーワード | アルファ粒子 / アルヴェン固有モード / 反転磁気シア / 測地線音響モード / 高速イオン輸送 |
研究概要 |
大型ヘリカル装置LHDのこれまでの実験において、中性粒子入射(NBI)電流駆動を利用してプラズマ中心以外にゼロ磁気シア面を有する反転磁気シア(RS)配位を実現し、高速イオン励起の反転磁気シアアルヴェン固有モード(RSAE)と帯状流の一種の測地線音響モード(GAM)を見出した。本基盤研究は、これらのRSAE、GAM及びこれらの非線形結合で励起される巨視的モードの高速イオン輸送及び背景プラズマに与える影響を明らかにすることを目的としている。トカマクプラズマの反転磁気シア配位では、中心部で負磁気シア、周辺部で正磁気シアであるのに対し、LHDで実現されたRS配位では磁気シアがトカマクのRS配位と逆符号を持つという特徴を有する。このように異なるRS配位ではRSAEとGAMの発生条件がトカマクとヘリカルプラズマで異なり、両者の特性比較からこれらの励起条件、さらに高速イオン輸送への影響、及び背景プラズマにおける輸送障壁形成との相関等についてトロイダルプラズマ共通の理解が期待され、意義が大きい。 本年度は、(1)RSAEとGAMの発生パラメーラ領域の探索、(2)RSAEとGAMの空間構造測定、及び(3)RSAEとGAMの高速イオンの再分布や損失へ及ぼす影響の基礎データの収集、を行った。磁気プローブアレイを新設し、RSAEとGAMの磁場揺動の3成分同時測定によりそれらの偏光に関するデータを取得した。ミリ波反射計と重イオンビーム(HIBP)によりRSAEとGAMの揺動計測に成功したが、それらの空間分布情報を得るには至らなかった。ただ、GAMが最大値をとると思われるゼロ磁気シア面付近でGAMの電位揺動を観測し実効値が1kVを超えることを明らかにした。さらに、RSAEとGAMの高速イオンイオン輸送への影響を、損失イオンプローブで観測を試みたが明確な損失信号は観測されなかった。
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