研究課題
●研究目的:(i)反転磁気シアアルヴェン固有モード(RSAE)と高速イオン励起の高周波帯状流(測地線音響モードGAM)の励起条件と特性、(ii)RSAEとGAMの非線形相互作用、及び(iii)RSAEとGAMの高速イオンや背景プラズマ輸送に及ぼす影響、を明らかにする。●研究実施計画:高速イオン効果が現れるように比較的低密度の反転磁気シア(RS)配位を形成し、RSAEとGAMを励起する。このプラズマに対して、重イオンビームプローブ(HIBP)により電位分布とGAMによる電位揺動の空間分布測定を行う。また、高速イオン励起のRSAEとGAMの高速イオン輸送や背景プラズマへの影響を調べる。●研究成果:線平均電子密度が0.2-1.5x10^<19>m^<-3>の範囲でトロイダルベータ値が0.5%から1.5%のプラズマにおいて高速イオン励起RSAEとGAM、及びそれらの非線形相互作用を観測した。また、~4-5%の高ベータLHDプラズマでは大きなShafranovシフトによりRS配位が実現され、それに対応したRSAEが初めて観測された。また、プラズマ電流によるHIBPビーム軌道のずれを制御する手法を開発し、RSAEとGAMの励起された大きなプラズマ電流を有するRS配位プラズマに適用し、電位分布とGAMの電位揺動分布の時間発展の計測に成功した。プラズマ中心部(規格化小半径r/a<0.2)で励起されたGAMが、回転変換分布の時間変化に応じてr/a-0.4付近まで径方向に広がることが初めて観測された。これによりr/a~0.3-0.5に広がる固有関数のRSAEと非線形相互作用するようになり、それにより生じた多重モードも観測した。RSAEやGAMは、高速イオン損失を引き起こさなかったが、RS配位の回転変換分布の極小値が1/3の有理数を通過後、バルクイオンの顕著な増大という興味深い現象を観測した。
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Plasma Science and Technology
巻: Vol.14 ページ: 269-272
DOI:10.1088/1009-0630/14/4/01
Plasma and Fusion Research
巻: 7 ページ: "2402014-1"-"2402014-4"
10.1585/pfr.7.2402014