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2009 年度 実績報告書

東洋町・ヴェレンベルグにおける放射性廃棄物処分地決定プロセスの政治過程分析

研究課題

研究課題/領域番号 21360465
研究機関東京大学

研究代表者

堀井 秀之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10181520)

研究分担者 小松崎 俊作  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (70456143)
中川 善典  高知工科大学, マネジメント学部, 講師 (90401140)
キーワード放射性廃棄物 / 政治過程分析 / 態度形成 / 東洋町 / 原子力
研究概要

(1)まず,文献調査と現地関係者インタビューに基づいて,東洋町における紛争の推移を決定づけた主要因と,主要なステークホルダー,アクション・イベント間の因果関係について分析した.次に,一連の政治過程の中で,事態の推移を決定づけた主要因を抽出し,アクション・イベント間の因果関係についての分析した.以上の政治過程分析によって,東洋町において応募取り下げに至った支配的要因と,対立を招いた「公募制度の下では解決が困難な要因」を明らかにした.
スイスにおいても,東洋町同様,文献調査とインタビューに基づいて,ヴェレンベルグにおける紛争の推移,および州民投票における態度形成を決定づけた主要因と,アクション・イベント間の因果関係について分析した.これら政治過程分析によって,ヴェレンベルクに処分場が立地しなかった原因である州民投票における態度形成要因を明らかにした.
(2)日本・スイス二国間の比較分析については,両国の政治過程を分析したところ,制度制定・アクション等のイベントのみならず,関係者の態度形成が重要な要因であることが明らかになった.この結果,従来の社会心理学的モデルを踏まえつつも脳科学の知見を応用して情動的プロセスと合理的プロセスとに分けることで,この態度形成過程を説明できるという,当初の研究計画では予期しなかった新たな仮説を形成するに至った.
(3)政治過程や態度形成の分析枠組みについては,両国における事例分析に適用し,有用性の実証を試みた.特に施設受け入れに関わる住民の態度形成過程分析枠組み(仮説)は,まず日本・東洋町における事例データと,フランス・ビュールや韓国・慶州などでの立地成功例の情報とを用いて検証した.その結果,住民の態度形成は感情的判断と理性的判断の2段階で分析できるという仮説に到達した.このことは立地政策の有効性を判断する有益な情報たり得る.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 高知県東洋町における高レベル放射性廃棄物処分地決定に係る紛争の対立要因と解決策

    • 著者名/発表者名
      西郷貴洋, 小松崎俊作, 堀井秀之
    • 雑誌名

      社会技術研究論文集

      巻: Vol.7 ページ: 87-98

    • 査読あり
  • [学会発表] An analysis of the dispute process regarding high-level nuclear waste repository siting in Toyo-cho, Japan : Decisive factors in the dispute and roles of the governments and experts2009

    • 著者名/発表者名
      小松崎俊作
    • 学会等名
      Managing Radioactive Waste : Problems and Challenges in a Globalizing World
    • 発表場所
      スウェーデン,ヨーテボリ
    • 年月日
      2009-12-16
  • [学会発表] スイス・ヴェレンベルグにおける低・中レベル放射性廃棄物処分場における住民の態度形成の分析2009

    • 著者名/発表者名
      堀井秀之,小澤一雅,小松崎俊作,赤尾宣長
    • 学会等名
      社会技術研究会ワークショップ「放射性廃棄物処分の社会的側面に関する研究課題」
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-06-05
  • [学会発表] 高知県東洋町における高レベル放射性廃棄物処分地決定に係る紛争の政治過程分析2009

    • 著者名/発表者名
      小松崎俊作
    • 学会等名
      社会技術研究会ワークショップ「放射性廃棄物処分の社会的側面に関する研究課題」
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-06-05

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公開日: 2012-07-19  

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