研究課題/領域番号 |
21360466
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹下 健二 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (80282870)
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研究分担者 |
木倉 宏成 東京工業大学, ソリューション研究機構, 准教授 (00302985)
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キーワード | 遠心抽出 / 油水向流 / Taylor-Couette流 / 流動可視化 / 連続抽出 / 軸混合効果 / 多段分離 / 超音波パルスドップラー法 |
研究概要 |
液々向流型遠心抽出装置の連続抽出操作の最適化を目的とし、油水流動と抽出性能の関係について検討した。最初に、液々向流型遠心抽出装置を用いて連続抽出試験を行い、その抽出性能を評価した。油水流動に関係する2つの主要な操作因子、内筒回転速度と油水流量を変化させて抽出率を測定した。抽出率は内筒回転速度の上昇に伴って増加し、高回転域(1500rpm)で減少に転じた。また、油水流量を上昇しても滞留時間の減少にも関わらず高い抽出率が維持できた。 次いで、超音波パルスドップラー流速計測法により油水向流の流動状態を評価した。油滴の空間流速分布の測定結果から連続相(水相)にTaylor渦列が存在することを確認できた。Taylor渦列の動きには3つの流動状態(上昇、静止、下降)が存在し、渦列が不安定化する運転条件(下降)を明らかにできた。更に油水向流に伴う装置の軸方向混合を調べるためにステップ応答による油相トレーサー試験を行なった。軸方向の混合効果は内筒回転速度の上昇に伴って大きくなり、高回転域では完全混合流れに近似した。それに対して油水流量の上昇に対して軸方向の混合効果は大きく変化しなかった。油水流動の可視化に関する検討により、連続抽出試験で得られた結果(高内筒回転域で多段抽出効果が喪失されることや高い油水流量でも高抽出率が維持できること)を合理的に説明することができた。液々向流型遠心抽出装置内の油水流動状態の可視化により、最適な連続抽出操作条件や油水向流の安定性が明らかにされ、本装置の大型化(主に塔長を高めること)が可能であることが分かった。
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