研究課題
本研究は税関や核廃棄物処理において要求されている、隠蔽された任意の物質を測定する手段として、原子核共鳴蛍光散乱を利用した非破壊同位体イメージングについて研究を行う。当該年度においてはNRFイメージング実験に関しては、前年度整備したLaBr3(Ce)検出器について、産総研の準単色のLCSγ線を用いて、性能評価を行うとともに、既存のGe検出器と組み合わせた検出器体系を構築し、核物質からのエネルギーに近い2.1MeVのNRFガンマ線を放出する11Bを用いて、NRF測定を試みた。この結果、1.5"x3"のLaBr3(Ce)検出器が1.2%FWHMのエネルギー分解能を有するのに対し、3.5"x4"のLaBr3(Ce)検出器は2%FWHMのエネルギー分解能を示す事が分かった。更に、Ge検出器との比較の結果、SN比の面でLaBr3(Ce)検出器の方が有利な点を有する事が判明した。これは、産総研のLCSガンマ線が20kHzのパルス構造を有するため、反応速度の遅いGe検出では、バックグラウンドの影響が大きくなると理由である。一方シミュレーションによるイメージング手法の研究に関しては、NRFの計算が可能な計算コードGEANT4の改良コードを用いて、NRFγ線を計算可能な環境整備を行った。〔連携研究者〕京都大学・エネルギー理工学研究所・准教授紀井俊輝原子核共鳴蛍光散乱イメージングを利用した危険物検知京都大学・エネルギー理工学研究所・准教授増田開シミュレーションによるイメージング手法比較
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
Conference Record of the IEEE Nuclear Science Symposium 2010
Proceedings of IEEE International Conference on Technologies for Homeland Security 2010
ページ: 525-529