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2009 年度 実績報告書

プロトン伝導性ペロブスカイトを電解質とした水蒸気電解に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21360481
研究機関九州大学

研究代表者

松本 広重  九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (70283413)

キーワードプロトン伝導性酸化物 / 水蒸気電解 / 水素製造 / 水素エネルギー / ビーズミル / 焼結性 / 混合伝導体 / ペロブスカイト
研究概要

電解質材料の低温焼結法について検討を行い、バリウムジルコネート系、およびストロンチウムセレートージルコネート固溶系についてビーズミリング法による易焼結性粉体の調製に成功した。前者の材料は難焼結性で知られるが、通常に比べて300℃~400℃程度低い温度での焼成により同程度の焼結密を得ることができた。粒径分布を測定した結果、ビーズミリングによってはシングルナノ粒子が調製できていることが判明し、高焼結性につながった物と考えられる。酸化物の二段階プロトン化による高プロトン伝導性の可能性について検討した。ペロブスカイト構造中で価数変化の起こる元素としてMn、W、Prをドーパントとして用いた場合について、還元雰囲気での導電率を測定し、ストロンチウムジルコネートのジルコニウムサイトをマンガンで置き換えた系について、還元雰囲気にさらすことにより材料をプロトン化することができることを確認した。本材料においてはプロトン化が可能であったのは約400~500℃の温度範囲であったが、価数変化による新しいプロトン化の手法を示せたものであり、今後、実際の電気化学セルにも適用可能な材料系でのプロトン化を検討する。ストロンチウムをドープしたサマリウムコバルト酸化物のアノード活性を検討し、この材料の電極活性や水蒸気電解の電流効率が、電極塗布厚さが50ミクロン程度まで厚さと共に向上することを確認した。この結果は、電極材料がプロトン-電子混合伝導性を有していることを示唆しており、そのような観点からさらに検討を行う予定である。一方、アノードについてはセリウム含有酸化物の薄膜が、プロトンを通す働きをもつと共にニッケル電極に対して活性を与える助触媒的効果があることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High sinterability of planetary-bead-milled barium zirconate2009

    • 著者名/発表者名
      T.Sakai, H.Matsumoto, ほか5名
    • 雑誌名

      Electrochemistry 77

      ページ: 876-878

    • 査読あり
  • [学会発表] Intermediate-temperature steam electrolysis using proton-conducting perovskite2009

    • 著者名/発表者名
      H.Matsumoto, T.Sakai, ほか2名
    • 学会等名
      3rd international workshop on High Temperature Water Electrolysis
    • 発表場所
      カールスルーエ、ドイツ
    • 年月日
      20090609-20090610

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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