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2011 年度 実績報告書

減数分裂の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 21370004
研究機関埼玉大学

研究代表者

村上 浩士  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (80262020)

キーワード遺伝子
研究概要

分裂酵母において第一減数分裂の制御にフォークヘッド型転写因子であるMei4は中心的な役割を果たしている。しかし、この制御は長い間未解明であった。申請者は、第一減数分裂の進行には、Cdk1の15番目のチロシン残基のリン酸化制御が主要な制御機構であり、Mei4がCdk1の活性化因子であるcdc25遺伝子の発現を活性化することが必須であることを明らかにし、さらにwee1遺伝子もMei4の第一減数分裂の進行に必要なターゲットであることを解明した。さらに、wee1遺伝子の発現が隣の遺伝子と共通の配列により調節され、隣の遺伝子の発現とwee1遺伝子の発現が相反していることが明らかになった。すなわち、wee1遺伝子は、第一減数分裂に進行するときに、発現量が減少し、隣の遺伝子の発現は上昇する。また、Mei4が存在しない時は、wee1遺伝子の減少は見られず、隣の遺伝子も発現上昇はない。しかし、Mei4が過剰発現した場合は、wee1遺伝子は早く減少し、隣の遺伝子は早く上昇する。この発現の詳細な機構については現在、解析中である。
さらに、Cds1と相互作用する因子を出芽酵母を用いたtwo-hybrid法を用いたスクリーニングにより転写因子と思われる遺伝子をクローニングした。この遺伝子の破壊株は必須遺伝子であることが報告されていたため、条件変異株を作成することが必要になった。条件変異株を作成するため、当該遺伝子をクローニングして、ランダムに変異をいれたものを分裂酵母に相同組換えにより戻し、温度感受性になるものをスクリーニングした。その結果、複数の株が温度感受性を示したので、現在、塩基配列を決定して、確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Mei4がCdk1の活性化因子であるcdc25遺伝子の発現を活性化することが必須であることを明らかにし、さらにwee1遺伝子もMei4の第一減数分裂の進行に必要なターゲットであることを解明した。
また、Cds1と相互作用する因子の解析を行っているが、条件変異株の候補がかなり取得できているので、その確認を行っている。
以上の事から、申請書の計画通りほぼ進行していると判断した。

今後の研究の推進方策

wee1遺伝子はMei4により負に制御されているが、正に制御している因子をスクリーニングしている。この候補として、ATFのコンセンサス配列がwee1遺伝子の上流に存在しているので、この可能性を確かめる。
次に、Cds1と相互作用する因子の条件変異株が作成できたかを確認し、Cds1とどのように体細胞分裂や減数分裂で機能しているかについて研究を進めて行く。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] hsf1 (+) extends chronological lifespan through Ecl1 family genes in fission yeast.2011

    • 著者名/発表者名
      Ohtsuka H
    • 雑誌名

      Mol Genet Genomics.

      巻: 285 ページ: 67-77

    • DOI

      10.1007/s00438-010-0588-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ecl1, a regulator of the chronological lifespan of Schizosaccharomyces pombe, is induced upon nitrogen starvation.2011

    • 著者名/発表者名
      Miwa Y
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 75 ページ: 279-83

    • DOI

      10.1271/bbb.100607

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chiasmata promote monopolar attachment of sister chromatids and their co-segregation toward the proper pole during meiosis I.2011

    • 著者名/発表者名
      Hirose Y
    • 雑誌名

      PLoS Genet.

      巻: 7 ページ: e1001329.

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1001329

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of wee1+ expression during meiosis in fission yeast,2011

    • 著者名/発表者名
      Murakami H
    • 学会等名
      6th international fission yeast meeting
    • 発表場所
      Boston,アメリカ
    • 年月日
      20110625-20110630
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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