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2012 年度 実績報告書

新しいジベレリン信号伝達経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21370022
研究機関広島大学

研究代表者

高橋 陽介  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183855)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード信号伝達 / 転写制御 / キナーゼ
研究概要

ジベレリン(GA)は植物の伸長成長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。生理学的実験からはGA信号伝達にはCa2+の関与が示唆されたが、その実体は不明であった。我々はGA生合成酵素遺伝子の転写因子RSGの機能を制御するキナーゼとしてCa2+依存性タンパク質リン酸化酵素NtCDPK1を同定した。NtCDPK1はRSGをリン酸化しRSGと14-3-3の結合を促進する。前年度までの研究でNtCDPK1はRSGだけでなく14-3-3とも結合することを見出した。本年度はNtCDPK1と14-3-3の結合は自己リン酸化依存的であることを明らかにした。Ca2+ によってNtCDPK1が活性化されるとNtCDPK1はRSG、14-3-3とヘテロ三量体を形成すると考えられた。NtCDPK1はRSGキナーゼの活性に加えてシャペロン様の機能を有しており、RSGをリン酸化すると同時に自身に結合していた14-3-3をRSGに受け渡すことでRSGと14-3-3の結合を促進することが示唆された。
大麦の糊粉層のプロトプラストを用いた実験ではGA処理後5時間程度で細胞内Ca2+濃度が上昇することが報告されていた。しかしこの濃度上昇はGA信号伝達に直接関与しているとするにはあまりに遅い反応である。そこで我々はCa2+センサーを用いてGAと細胞内Ca2+濃度の関係を解析した。その結果、従来報告されていたよりも早くGA処理により細胞内Ca2+濃度が上昇することが示された。またCa2+信号伝達の阻害剤の添加によりGAによる遺伝子発現制御が抑制されることが明らかになった。これらの結果はCa2+がGA信号伝達に直接関与していることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] GAF1, A DELLA interacting protein, regulates gibberellin signaling in Arabidopsis

    • 著者名/発表者名
      Fukazawa J, Murakoshi S, Teramura H, Nasuno K, Nishida N, Yoshida M, Kamiya Y, Yamaguchi S, Takahashi Y.
    • 学会等名
      Nature conference “Frontiers in plant biology: From discovery to applications”
    • 発表場所
      Ghent, Belgium
  • [学会発表] JAシグナルを負に制御するbHLH型転写因子JAM1の解析

    • 著者名/発表者名
      中田克,光田展隆,高木優,高橋陽介
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会
    • 発表場所
      岡山大学
  • [学会発表] ジベレリン信号伝達に関与するタンパク質リン酸化酵素NtCDPK1の自己リン酸化による機能制御の解析

    • 著者名/発表者名
      大江翔太、伊藤岳、石田さらみ、高橋陽介
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会
    • 発表場所
      岡山大学
  • [学会発表] ジベレリンの転写代謝システム及び成長制御機構の解析

    • 著者名/発表者名
      深澤壽太郎, 藤木敬大, 森雅彦, 増谷優次, 神谷勇治, 山口信次郎, 高橋陽介
    • 学会等名
      若手ワークショップ@鬼怒川
    • 発表場所
      ホテル鬼怒川御苑
  • [学会発表] ジベレリンによるDELLA-GAF1複合体を介した転写調節制御機構の解析

    • 著者名/発表者名
      深澤壽太郎, 藤木敬大, 森雅彦, 増谷優次, 神谷勇治, 山口信次郎, 高橋陽介
    • 学会等名
      第35回 日本分子生物学会年会 ワークショップ
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 招待講演
  • [学会発表] シロイヌナズナの転写因子 VIP1/AtRSGの細胞内局在についての研究

    • 著者名/発表者名
      竹尾紘一,伊藤岳,高橋陽介
    • 学会等名
      第69回中国四国植物学会
    • 発表場所
      島根大学
  • [学会発表] ジベレリン信号伝達に関与するCa2+依存性タンパク質リン酸化酵素 NtCDPK1の機能制御の解析

    • 著者名/発表者名
      大江翔太,伊藤岳,高橋陽介
    • 学会等名
      第69回中国四国植物学会
    • 発表場所
      島根大学
  • [学会発表] ジベレリン生合成酵素遺伝子 AtGA20ox2のフィードバック制御機構の解析

    • 著者名/発表者名
      森雅彦,渡邊哲史,深澤壽太郎,伊藤岳,高橋陽介
    • 学会等名
      第69回中国四国植物学会
    • 発表場所
      島根大学

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公開日: 2014-07-24  

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