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2010 年度 実績報告書

単子葉植物におけるシスゼアチンの代謝システムと生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21370023
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

榊原 均  独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, グループディレクター (20242852)

キーワードイネ / サイトカイニン / 配糖化 / 受容体 / 生長制御
研究概要

(1)安定同位体標識トレーサー法を用いたcZ代謝システムの特徴付け
本年度は安定同位体ラベルしたcZRを新たに合成し、イネの根から吸収させ、その後の代謝変換を質量分析計を用いて解析した。その結果、tZ型分子種への取り込みが検出されたものの、その変換効率は極めて低く、少なくとも幼苗のステージではtZの実質的な供給源になる可能性はないことが明らかになった。
(2)cZ特異的な配糖化酵素cZOGT遺伝子の特徴付けと過剰発現体の解析
本年度さらにもう1つのO-グルコシル化酵素の候補(Os07g0660500)について組換え酵素タンパク質を発現させ、基質特異性を解析したがサイトカイニンに対する反応性は極めて低かった。以上の結果から、イネのサイトカイニンO-グルコシル化酵素は、Os04g0565400,0s04g0556500,Os04g0556600の3種であることが強く示唆された。
Os04g0556500,Os04g0556600の過剰発現イネは地上部が矮化した。ホルモン内生量を解析したところ、サイトカイニンのグルコシドの蓄積量が増加していたとともに、ジベレリンの内生量も変化していた。葉鞘と葉身ともに対照に比べ短くなること、細胞長が減少していることなどから、この表現型の一部は二次的なジベレリンの内生量変化によるものを含むことが示唆された。
(3)イネのサイトカイニン受容体遺伝子(OsHK)のリガンド特異性の解析
OsHK6の出芽酵母sln1変異体のアッセイ系では、OsHK6はtZ,cZに対してほぼ同等の応答性を示した。実際にサイトカイニン誘導性遺伝子(OsRR)のtZ,cZに対する応答を解析したところ、両者における誘導性には違いが見られなかった。以上の結果は、イネにおいてcZは活性型サイトカイニンとして機能しうるというこれまでの結果を支持していた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Hormonal control of nitrogen acquisition : Roles of auxin, abscisic acid and cytokinin2011

    • 著者名/発表者名
      Takatoshi Kiba
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany

      巻: 62 ページ: 1399-1409

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of cytokinin in the regulation of plant development2010

    • 著者名/発表者名
      Takatoshi Kiba
    • 雑誌名

      Plant Developmental Biology-Biotechnological Perspectives

      巻: 2 ページ: 237-254

  • [学会発表] Structural variation of cytokinin and its biological importance2010

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara
    • 学会等名
      International Symposium on Plant Productivity
    • 発表場所
      Peterborough, Canada
    • 年月日
      2010-10-26
  • [学会発表] Nitrogen-dependent regulation of cytokinin metabolism2010

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara
    • 学会等名
      Nitrogen 2010
    • 発表場所
      Inuyama, Japan
    • 年月日
      2010-07-28
  • [学会発表] Regulation of cytokinin action in plants : Biological importance of side-chain variation2010

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara
    • 学会等名
      20th International Conference on Plant Growth Substances
    • 発表場所
      Tarragona, Spain
    • 年月日
      2010-06-28
  • [備考]

    • URL

      http://labs.psc.riken.jp/brt/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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