研究課題
新奇捕食性鞭毛虫Palpitomonas bilixとゴニオモナス類Goniomona sp.からの網羅的発現遺伝子(EST)データを加えた161遺伝子配列データセットに、カタブレファリス類Roombia sp.のESTデータを加えた最終的な分子系統解析用データセットを整備した。単一遺伝子データを系統解析し、系統的に離れた生物から水平的に伝播した可能性のある配列等を検出した場合当該配列を削除し、データセットから系統解析において「ノイズ」となる可能性の配列を取り除いた。最終的に159遺伝子配列を使用することに決定した。この159遺伝子から構成されるデータセットを最尤法を用いて解析した。その結果、クリプト藻類、ゴニオモナス類、カタブレファリス類、Palpitomonasは単系統となり、最尤法ブートストラップ値(MLBP値)は89%であった。この単系統群の中で、まずPalpitomonas、カタブレファリス類の順で分岐し、最終的にクリプト藻類とゴニオモナス類が分岐すると推測された。Palpitomonasが最初に枝分かれするトポロジーはMLBP値89%で、クリプト藻類とゴニオモナス類の姉妹群関係はMLBP値100%で支持された。顕微鏡観察からクリプト藻類、ゴニオモナス類、カタブレファリス類は射出装置をもち、その構成タンパク質の一つがESTデータ中に発見された。しかしPalpitomonasには射出装置はなく、そのESTデータにも射出装置構成タンパクは検出できなかった。射出装置の有無を、159遺伝子系統解析から推測されたクリプト藻類、ゴニオモナス類、カタブレファリス類、Palpitomonasの分岐順にあてはめると、Palpitomonasと分岐した後、クリプト藻類、ゴニオモナス類、カタブレファリス類の共通祖先が射出装置を獲得したと解釈できる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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