「ナメクジウオ系統研究プロジェクト」の最終段階として、本研究で新たに採集した試料とそれまでに入手し解析をすすめていたサンプルをあわせ、本動物群の3属すべてについて、ミトコンドリアDNA全ゲノム配列データにもとづいて、頑健な系統樹をえがくことができた。さらに、supermatrix法を駆使して解析をすすめた結果、隠蔽種9種を発見した。すなわち、全世界の約45個体群から、総計3属31種を分子系統学的に識別できたことになり、ナメクジウオ類全種の約8割を網羅していることになる。この膨大なデータを総合して分岐パターン解析することで、ナメクジウオ類全体の系統進化や多様化プロセスの解明が可能となり、本動物群の世界規模での種多様性把握にも大きく貢献することができる。
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