研究課題/領域番号 |
21370039
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
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研究分担者 |
山崎 剛史 (財)山階鳥類研究所, 資料室, 研究員 (70390755)
濱尾 章二 独立行政法人国立科学博物館, 付属自然教育園, 研究主幹 (60360707)
関 伸一 森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (50343801)
高木 昌興 大阪市立大学, 理学研究科, 准教授 (70311917)
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キーワード | 進化 / 分類学 / 動物 / 種分化 / 鳥類 / DNAバーコーディング / 異所的種分化 / 種の認知 |
研究概要 |
対象種である13分類群・17種のうち平成21~22年度にはリュウキュウコノハズク、コゲラ、ヒヨドリ、コマドリ・アカヒゲ、トラツグミ、アカハラ・アカコッコ、ウグイス、センダイムシクイ・イイジマムシクイ、キビタキ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラスの13分類群16種について南西諸島の集団を中心に主に諸島間での形態学的分析とDNA分析をおこない、南西諸島で繁殖する陸鳥では種によって異なる地理的パターンが形態的変異においても遺伝的変異においても見られることがわかった。またそのパターンは形態と遺伝の間でも違うことが分かってきた。特に、リュウキュウコノハズクとヒヨドリは形態を基にした亜種の分布と遺伝的なクレードの分布が食い違うことがわかり、亜種の再検討が必要なことが推察された。また、リュウキュウコノハズク、アカビゲ、トラツグミ、イイジマムシクイ、キビタキ、ヤマガラは一部の亜種が他の亜種と非常に大きな遺伝的分化を起こしていることがわかった。今後、種分類の再検討が必要な種としてこれらの大きな遺伝的分化を起こしている集団が研究対象となることがわかった。種分化に関わる研究として、リュウキュウコノハズクとシジュウカラについてそれぞれ音声の分析と予備的なプレイバック実験をおこない、ハシブトガラスについては採餌行動の研究をおこなった。種分化を促進する要因として、緯度や環境に応じた形態的な適応と分化以外にも、近縁種の存否が音声における種認識の厳格さに与える影響、渡り行動の違い、行動文化的な継承など種によって異なる様々な要因があることが示唆された。 種・亜種分類が難しいセグロカモメ上種について天売島で死体が採取された個体を調べた結果を論文にした。またメボソムシクイについてDNA、形態、音声を基に分類を再検討し3種に分けた結果を論文にした。
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