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2009 年度 実績報告書

ヘムをシグナル伝達分子として機能する蛋白質制御系の構造化学的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21370040
研究機関北海道大学

研究代表者

石森 浩一郎  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20192487)

研究分担者 内田 毅  北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30343742)
キーワードヘム依存性制御蛋白質 / 酸化修飾 / 活性酸素 / ヘム生合成 / 鉄代謝
研究概要

本年度の研究成果の概要は以下のとおりである.
1Irr,IRP2におけるヘム結合部位の同定 ヘムの生合成を制御する転写因子Irrや,細胞内の鉄代謝を制御するIRP2の制御機能発現に重要な自己酸化修飾の分子機構を解明するため,その酸化修飾反応の端緒となるヘムの結合部位の同定を試みた.まず,それぞれの蛋白質に対するヘムの結合当量を決定するため,紫外可視吸収スペクトルを用いた正確なヘムの滴定を行い,ヘムの結合当量数をIrrでは2,IRP2では3と決定することができた.Irrの場合には従来から想定されたようにヘム制御モチーフ(HRM)中のCys29の他,C末端側のHisクラスタ領域がヘム結合部位であると推定できた.一方,IRP2においては,ヘム依存生分解(IDD)ドメインのCys201の他にCys120とCys375へのヘムの結合が確認された.しかし,IRP2においてこれらの3つのCysをヘムが結合できないAlaに置換した場合においても,まだヘムの結合が観測されたことから,IRP2におけるヘムの結合部位に関してはさらに検討が必要である.
2酸化修飾を受けていないIrrの単離精製法の確立 Irrにおける酸化修飾部位と酸化活性種の同定には,酸化修飾を受けていないIrr標品を用いる必要があるが,質量分析計を用いた詳細なペプチド分析から,大腸菌で発現させたIrrは既に菌内で酸化修飾を受け,標品として単離精製したときには,その80%以上が酸化修飾された状態であることが明らかになった.そこで,培地として鉄を含まない最少培地を用いて大腸菌でIrrを発現させたところ,酸化修飾を受けた蛋白質は20%以下まで減少することが明らかになった.今後は,本手法を用いてIrrを単離精製し,酸化修飾部位と酸化活性種の同定を行う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular Oxygen Regulates the Enzymatic Activity of a Heme-containing Diguanylate Cyclase(HemDGC)for the Synthesis of Cyclic di-GMP2010

    • 著者名/発表者名
      Sawai, H., et al.
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta 1804

      ページ: 166-172

    • 査読あり
  • [学会発表] Iron Response Regulator Protein Is a Self-oxidative Oxidase-transcription Factor : A Mechanism for Heme-mediated Self-oxidation2009

    • 著者名/発表者名
      Ishimori, K.
    • 学会等名
      14^<th> International Conference on Biological Inorganic Chemistry(ICBIC14)
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2009-07-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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