研究課題
輸送体は、肝臓、腎臓、脳、小腸、腫瘍など、種々の組織に分布し、栄養素、イオン、薬剤、毒物等を基質として膜を隔てた選択的な物質輸送を行い、生命維持に必須の役割を果たしている。そのため、多くの薬剤の標的となっているが、効率的な薬剤開発には、輸送体の輸送機構の解明が必須である。我々は二次性能動輸送体であるヒトの神経伝達物質輸送体やグルコース輸送体と構造が類似しているヒダントイン輸送体Mhp1について構造解析研究を行っている。われわれは、昨年度までに「基質を細胞内に放出して内側に開いた状態」、「基質を結合して閉じた状態」、「基質を敢り込むために外向きに開いた状態」の三種類の構造を決定し、分子動力学的計算と合わせて、Mhp1がどのように動いて基質を輸送するのかを解明し論文を発表した。本年度は、より詳細にMhp1の輸送機構を分子レベルで理解するために、「基質を細胞内に放出して内側に開いた状態」、「基質を結合して閉じた状態」の構造について、より高分解能で構造を決定することを目指し、蒸気拡散法、キュービックフェーズ法による結晶化、抗体を用いた結晶化も含めて検討を行ってきた。特に「基質を結合して閉じた状態」については、構造決定に用いたベンジルヒダントイン以外にも様々な基質をソークングさせ分解能の改善を試みた。
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