研究課題
インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼは、ウイルスの複製(増殖)に中心的な役割を担っている事や、他のタンパク質と比べ変異を引き起こす事は少ないため、新規薬剤ターゲットとして注目されて来た。インフルエンザウイルスのRNAボリメラーゼが持つ3つのサブユニットのうち、どれか1つのサブユニットでも欠けるとウイルスの増殖機構が失われる事に注目し、PB1-PB2のサブユニットの複合体での構造解明を行う事を目的とする。また、このPB1-PB2の構造の情報を基に、PB1-PB2相互作用部位に結合する化合物の探索をin-silico手法で行い、抗インフルエンザウイルス剤につながる構造基盤を構築する事である。●PB1-PB2タンパク質の構造を基にin-silicoへの応用PB1-PB2複合体の構造解析に成功した(EMBO J.2009)。様々なタンパク質の発現条件を検討しだ結果、PBIのアミノ酸678-757とPB2アミノ酸1-37の複合体でのタンパク質が大量の発現に成功した。その構造を基に機能解析のため、変異体を作製し、mRNA活性を測定した結果、極めて低下する事が確認でき、in-silicoによる基盤構造を確立する事が出来た。また、PB1-PB2め構造を基に、in-silico手法により、約200万個の化合物から計算を行い、4000化合物を得る事に成功した。これらの化合物は、タンパク質同士を結合阻害をする事が予測されており、結合評価系の開発を進めている。
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生物物理
巻: Vol.50, No.2 ページ: 74-79
日本結晶学会
巻: 52 ページ: 271-278