研究概要 |
インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼは、ウイルスの複製(増殖)に中心的な役割を担っている事や、他のタンパク質と比べ変異を引き起こす事は少ないため、新規薬剤ターゲットとして注目されて来た。インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼが持つ3つのサブユニットのうち、どれか1つのサブユニットでも欠けるとウイルスの増殖機構が失われる事に注目し、PB1/PB2のサブユニットの複合体での構造解明を行う事を目的と創薬の基盤構築である。本研究者は、RNAポリメラーゼPB1/PB2複合体のタンパク質を発現・精製し成功して、分解能1.7Aで解析に成功した。PB1/PB2の構造は、それぞれ3本の.-へリックスからなり、非常に強い疎水結合により、複合体を形成している。そのアミノ酸残期は、PB2ではIle4, Leu7, Leu10と、PB1では、Val715, Ile750が関与しており、こられの残期の変異体を作製し、mRNA活性を測定した結果、極めて低下する事が確認でき、in-silicoによる基盤構造を確立する事が出来た。
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