研究課題
(1) 高マンノース型糖鎖の超高磁場NMR解析昨年度までにキトビオースを対象として確立した糖鎖還元末端の常磁性タグによる化学修飾法を、高マンノース型糖鎖に応用するために、マルトペンタオースなどのオリゴ糖鎖をモデル糖鎖として反応条件(特に溶媒条件)の検討を行った。その結果、より親水性の高い糖鎖に関しても常磁性タグを導入することが可能となった。一方、酵母変異体を用いた高マンノース型糖鎖の安定同位体標識体の大量発現手法の応用範囲をM8B以外の糖鎖の生産にまで拡張することできた。これにより、^<13>C標識を施した高マンノース型糖鎖M9の大量調製とNMR計測に成功した。(2) レクチンによる糖タンパク質の細胞内輸送の構造基盤の解明細胞内レクチンERGIC-53とカルシウム結合タンパク質MCFD2の複合体に関して新たな結晶型でのX線構造を決定することに成功した。さらに本複合体が血液凝固因子を積荷として輸送するメカニズムを明らかにするために、第VIII因子に由来するペプチドとの相互作用の検討を行い、MCFD2との相互作用にかかわる部位を同定することができた。(3) カーゴレセプターの超分子形成メカニズムの解明酵母のERGIC-53ホモログにあたるEmp46pとEmp47pを対象にして、その超分子形成機構の解析を行った。特に、これらの膜タンパク質のレクチン様ドメインと膜貫通領域の間に位置するコィルドコイル領域に着目し、溶液pHに依存した分子集合の様式を明らかにし、さらにそれを規定するアミノ酸残基を同定することができた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (25件) 図書 (1件)
Biochem.Biophys.Res.Commun
巻: 404 ページ: 201-205
Progress in Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy
巻: 56 ページ: 346-359
Glycobiology
巻: 20 ページ: 651-660
Biochemistry
巻: 49 ページ: 6953-6962
FEBS Lett.
巻: 584 ページ: 1536-1542
巻: 20 ページ: 567-575
巻: 584 ページ: 3474-3479
Biochem.Biophys.Res.Commun.
巻: 400 ページ: 329-333
Methods in Enzymology
巻: 480 ページ: 181-197
巻: 478 ページ: 305-322
日本結晶学会誌
巻: 52 ページ: 255-261
PF NEWS
巻: 28 ページ: 19-23
Current Pharmaceutical Design
巻: in press