研究課題/領域番号 |
21370056
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
伊東 広 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183005)
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研究分担者 |
水野 憲一 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90212232)
多胡 憲治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (20306111)
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キーワード | Gタンパク質共役受容体 / オーファン受容体 / 機能抗体 / シグナル伝達 |
研究概要 |
真核生物が生存していく上でGタンパク質共役受容体(GPCR)は細胞外シグナルを認識して、そのシグナルを細胞内へ伝える重要な役割を担っている。ヒトゲノムには1000近いGPCRメンバーが存在するが、そのうちリガンド不明のオーファン受容体が200以上残っている。オーファン受容体の中にはAdhesion GPCRと呼ばれるサブファミリーが見出されており、本年度の研究ではそのAdhesion GPCRの中でも大脳皮質形成および癌細胞の悪性度との関係が示唆されているGPR56と、神経伝達物質放出作用を示すクモ毒lateotoxinの受容体として見出された1atrophilinのリガンド探索と構造と機能の解明を目指した。ヒトおよびマウスのGPR56の細胞外ドメインをバキュロウイルスSf9細胞発現系を用いて調製し、それを抗原としてウサギおよびラットに免疫し抗体の作成を行った。その結果、マウスGPR56を高感度で特異的に認識するポリクローナル抗体および種々のモナクローナル抗体が得られた。現在、それらの抗体を用いた解析を進めている。また、ヒトGPR56に対するモナクローナル抗体17CCを作成し、ヒトグリア腫細胞U87でのGPR56の発現を確認し、その細胞へ17CC抗体が何らかの作用を示すか検討したところ、U87細胞の遊走を17CC抗体が抑制することを見出した。一方、GPR56細胞外ドメインをレジンに結合させたアフィニティカラムを用いてリガンドの探索を行ったところ基底膜プロテオグリカンの一つが候補分子として見つかってきた。その分子のcDNAを発現ベクターに組込み、哺乳動物細胞および昆虫細胞で発現させGPR56との相互作用等の解析を進めている。Latrophilinに関しても発現ベクターの構築を行い、哺乳動物細胞での発現およびLatrophilin細胞外ドメイン発現バキュロウイルスの作成に成功している。
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