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2011 年度 実績報告書

マルチトランスポーターマシンの分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21370057
研究機関岡山大学

研究代表者

表 弘志  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10273707)

キーワード小胞型グルタミン酸トランスポーター / 小胞型ヌクレオチドトランスポーター / VGLUT / VNUT / 二価金属イオン / 多機能性
研究概要

小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)はシナプス小胞にグルタミン酸を輸送するトランスポーターである。小胞内に蓄積されたグルタミン酸は刺激に応じて細胞外へ放出されて、シグナルを伝達する。VGLIUTはグルタミン酸輸送だけでなく、Na^+勾配に依存したリン酸輸送活性を持っている。この研究ではVGLUTを含むSLC17型トランスポーターを材料とし、分子内に複数のトランスポーターマシンを持つ多機能性トランスポーターのメカニズムに迫る事を目的としている。
SLC17ファミリーの一つである小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT,SLCl7A9)はATP等のヌクレオチドを小胞内に輸送するトランスポーターで、VGLUTとよく似た性質を持っている。生体内でははATPはMgやCa等の二価金属イオンと複合体を形成している。そこで、二価金属イオンがヌクレオチド輸送に対して与える効果について詳細に解析した。その結果、VNUTがフリーのATPだけでなく、ATP-Mg複合体も輸送している事を見いだした。クロマフィン顆粒等ではヌクレオチドとともに二価金属イオンが蓄積されている事が知られていたが、蓄積のメカニズムは不明なままであった。本研究の成果はVNUTがクロマフィン顆粒への二価金属イオン蓄積に関わっている事を示すとともに、ATP輸送と二価金属イオン輸送という二つの機能を担うトランスポーターである事をが明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

VNUTが持つ新しい輸送機能を明らかにした。

今後の研究の推進方策

変異型VGLUT、VNUT、VEATによるグルタミン酸、ヌクレオチド輸送活性を測定する。また、リン酸輸送活性を測定する。さらに、これらのトランスポーターがオリゴマー構造をとっているか、オリゴマー構造が輸送活性とどのような関係にあるか明らかにする。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] A Na^<+/> phosphate co-transporter homologue (SLC17A4 protein) is an intestinal organic anion exporter2012

    • 著者名/発表者名
      Togawa N, Miyaji T, Izawa S, Omote H, Moriyama Y
    • 雑誌名

      Am J Physiol Cell Physiol

      巻: electric version(in press)

    • DOI

      10.1152/ajpcell.00015.2012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Divalent cation transport by vesicular nucleotide transporter2011

    • 著者名/発表者名
      Miyaji T, Sawada K, Omote H, Moriyama Y
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 286 ページ: 42881-42887

    • DOI

      10.1074/jbc.M111.277269

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional characterization of vesicular excitatory amino acid transport by human sialin2011

    • 著者名/発表者名
      Miyaji T, Omote H, Moriyama Y
    • 雑誌名

      J Neurochem

      巻: 119 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1111/j.1471-4159.2011.07388.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vesicular neurotransmitter transporter : bioenergetics and regulation of glutamate transport2011

    • 著者名/発表者名
      Omote H, Miyaji T, Juge N, Moriyama Y
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 50 ページ: 5558-5565

    • DOI

      10.1021/bi200567k

    • 査読あり
  • [学会発表] Metabolic Control of Vesicular Glutamate Transporter2012

    • 著者名/発表者名
      表弘志
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      信州大学(松本)
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] 小胞型グルタミン酸トランスポーターの活性制御2011

    • 著者名/発表者名
      表弘志
    • 学会等名
      生体エネルギー研究会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都)
    • 年月日
      2011-12-22
  • [学会発表] 小胞型グルタミン酸トランスポーターの機能制御2011

    • 著者名/発表者名
      表弘志
    • 学会等名
      生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      岡山大学創立50周年記念館(岡山)
    • 年月日
      2011-11-24
  • [学会発表] 小胞型グルタミン酸トランスポーターの機能制御2011

    • 著者名/発表者名
      表弘志
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      国際会議場(京都)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] 小胞型グルタミン酸トランスポーターのCl-イオンによる制御2011

    • 著者名/発表者名
      表弘志
    • 学会等名
      日本生化学会中国四国支部例会
    • 発表場所
      応仁会館(広島)
    • 年月日
      2011-05-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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