研究課題/領域番号 |
21370070
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神山 勉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30170210)
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研究分担者 |
村上 緑 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20324387)
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教 (90223297)
岩佐 達郎 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (00133926)
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キーワード | レチナール蛋白質 / X線結晶構造解析 / 光駆動プロトンポン / 視物質 / 塩素イオンポンプ / 膜タンパク質 / イカ・ロドプシン / ハロロドプシン |
研究概要 |
1)ロドプシン群タンパク質の結晶化:(1)高熱性好塩菌由来のデルタロドプシンの結晶を作成し、その立体構造を2.8Åの分解能で求めた。(2)タコ・ロドプシンの結晶化を行い、微結晶を得た。 2)バクテリオロドプシンの構造解析:(1)0中間体の寿命が長くなることで知られるBR変異体(L93A)の結晶を作製し、0中間体の形成に伴う構造変化を2.3Åの分解能で明らかにした。 3)ファラオニス・ハロロドプシン(pHR)の構造解析:(1)塩素イオン非結合状態(中性pHでの0中間体)の構造を求め、レチナール・シッフ塩基近傍にある陰イオン結合部位から塩素イオンが排出される様子を明らかにした。(2)弱酸性陰イオン(アザイド)存在下でのpHRの光誘起構造変化を調べ、M中間体の形成に伴いFヘリックスが大きく変形することを明らかにした。(3)ヘリックスAの前方にある短いヘリックスA'とヘリックスBとCをつなぐB-Cループの一部が塩素イオンの取り込みに関してキャップする構造を形成していることを、phRを発現させた大腸菌とそのゴースト膜小胞を用いて明らかにした。(4)pHRのB-Cループ部分の一部(phRにだけ存在しているアミノ酸)を欠失した変異体(phR△BC)では、光反応は膜電位に依存せず、塩素イオンの取りこみが素早くなることを明らかにした。 4)無脊椎動物系ロドプシンの構造解析:(1)イカ・ロドプシンのバソ中間体およびイソ中間体の構造を求め、反応初期過程の様子を明らにした。(2)タコのマイクロビライ(MV)のX線小角散乱(SAXS)を測定し、タコロドプシンの光反応(メタロドプシンの生成)に伴う高次構造の変化の様子を明らかにした。
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