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2010 年度 実績報告書

核とミトコンドリア複製の連携機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21370076
研究機関東北大学

研究代表者

東谷 篤志  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40212162)

キーワードミトコンドリア / チェックポイント / ATM/ATR / 蛋白質相互作用 / レトログレードシグナル / DNA複製 / DNA損傷 / 酸化ストレス
研究概要

細胞周期のチェックポイント機構に関わるATMならびにATRのヒト培養細胞における細胞内局在性について、それぞれの複数の抗体を用いて解析を行った。その結果、いずれも核ならびに細胞質の画分に検出されるとともに、ATRはミトコンドリア画分においても見出された。さらに、ヒトATRのGFP融合体を作成し、培養細胞に形質導入することでGFPシグナルを用いた生細胞内における局在性の解析を行った。その結果、細胞分画と同様に、核と、細胞質ならびにミトコンドリアにも、シグナルが観察されることが明らかになった。さらに、このATRの発現系において、細胞の液胞化をともなう細胞死が誘導される現象も見出した。現在、オートファジーとの関連性について調べている。
また、ヒトATRと相互作用する因子を調べる目的で、免疫沈澱法により共沈する蛋白質について調べたところ、ミトコンドリア特異的な複製・転写に関わる因子TFAMと相互作用を示すことが確認された。
また、ミトコンドリア障害時におけるATR遺伝子の働きに関して調べる目的で、線虫の野生型ならびにATL1(線虫ATR)の欠損変異体を用いて解析を行った。その結果、ATL1欠損では、ミトコンドリアストレスに高感受性になることが確認され、核のチェックポイント制御に関わる因子のミトコンドリアでの制御が確実なものになり、新たな知見へとつながっている。この実験系を進めることで、ミトコンドリア障害時のレトログレードシグナル伝達系の分子機構について更なる解析を次年度以降に進める。
また、放射線照射による酸化ストレスや高温ストレスによる障害ならびにDNA損傷の応答について、植物や線虫ならびにヒト培養細胞を用いた解析を行い、ミトコンドリアと核との連携について、解析を引き続き展開している。
さらに、線虫を用いた宇宙実験のサンプルを解析することで、宇宙環境がおよぼす影響について、特に、筋委縮とミトコンドリアとの関係についてもDNAマイクロアレイならびにプロテオーム解析を実施している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Auxin depletion in barley plants under high-temperature conditions represses DNA proliferation in organelles and nuclei via transcriptional alterations2011

    • 著者名/発表者名
      Oshino T, Miura S, Kikuchi S, Hamada K, Yano K, Watanabe M, Higashitani A
    • 雑誌名

      Plant Cell Environ

      巻: 34 ページ: 284-290

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Auxins reverse plant male sterility caused by high temperatures2010

    • 著者名/発表者名
      Sakata T, Oshino T, Miura S, Tomabechi M, Tsunaga Y, Higashitani N, Miyazawa Y, Takahashi H, Watanabe M, Higashitani A
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A

      巻: 107(19) ページ: 8569-74

    • DOI

      Doi:10.1073/pnas.1000869107

    • 査読あり
  • [学会発表] The effect of exercise stress for the gene expression of C.elegan2010

    • 著者名/発表者名
      Toko Hashizume, Tomoko Sugimoto, Chihiro Mori, Kanako Nemoto, Keiji Fukui, Atsushi Higashitani, Noriaki Ishioka, Akira higashibata
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Study of hypoxia response and microRNA expression in mitochondrial disorder of C.eleagan2010

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Nishina, Mayuko Chishiki, Takako Takanami, Atsushi Higashitani
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Oxidative stress induced by the defect of CeATL-1, an ATR checkpointkinase in C.elegan2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Suetomi, Chihiro Mori, Takako Takanami, Atsushi Higashitan
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] A novel function of ATR checkpoint kinase for cellular vacuolation2010

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Mori, Takahiro Nagase, Akira Yasui, Atsushi Higashitani
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [備考]

    • URL

      http://www.ige.tohoku.ac.jp/genome/index.htm

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公開日: 2013-06-26  

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