研究概要 |
異常なmRNAを分解なるmRNS品質管理機構として知られるナンセンス型mRNA分解(NMD)、ノンストップ型mRNA分解(NSD)、リボソーム停滞型mRNA分解(NGD)についてその分子機構を解明することを目的として解析を行い以下の知見を得た。 (1)リボソーム停滞型mRNA分解(NGD) NGDの第1段階はエンドヌクレアーゼであるDom34によるmRNAの分子内切断であると考えられていたが、昨年度Roy Parkerらのグループによって完全に否定された。研究代表者らは、Dom34を運搬するG蛋白質であるHBS1と結合する因子としてGAPDHを同定しているが、酵母オーソログであるTdh3の破壊株を作成しNGDを解析したところ、NGDに明らかな異常が観察され、エンドヌクレアーゼの実体がGAPDHである可能性が示された。 (2)ナンセンス変異型mRNA分解(NMD) 翻訳終結因子eRF3とmRNA分解に関わる各種酵素(exosome, Xrn1、 Dcp1/2, Caf1, Pan2, Smg6)との相互作用について免疫沈降法や大腸菌組換え蛋白質をもちいたGST pulldown法により解析した結果、Dcp1とSmg6との結合が観察された。 (3)ノンストップ型mRNAの分解(NSD): βグロビンのレポーター遺伝子を用いたノンストップ型mRNAの発現系を用いてヒトにおけるノンストップmRNA分解の特性を明らかにした。
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