DNA複製開始とカップルしたフィードバック制御による染色体維持機構の解明

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21370081
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 分子生物学
• 研究機関: 兵庫県立大学
• 研究代表者: 西谷 秀男 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (40253455)
• 研究分担者: 塩見 泰史 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (80380567)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: DNA / 複製 / 細胞周期 / タンパク質分解

研究概要

細胞周期に染色体の複製を一度のみ行なうため、複製開始因子Cdt1は複製開始後、分解されなければならない。我々は、複製因子PCNAに依存してCdt1の分解に関わるCRL4-Cdt2の働きに注目し研究を行った。Cdt1は、そのN末端に存在する特殊なアミノ酸部位が認識され分解されること、PCNAのクロマチン結合に必要な因子が、S期とDNA修復時で使い分けられることを明らかにした。このように厳密なCdt1の分解制御が染色体維持に関わっている。

研究成果

• [雑誌論文] Two different RFC proteins, Ctf18 and RFC1 separetely control PCNA-CRL4Cdt2-mediated Cdtl proteolysis during S phase and following UV-irradiation. (2012)
  • 著者名/発表者名: Shiomi Y, Hayashi A, Ishii T, Shinmyozu K, Nakayama JI, Sugasawa K, Nishitani H
  • 雑誌名: Mol Cell Biol 巻: 32 ページ: 2279-2288
• [雑誌論文] Cdt1 is differentially targeted for degradation by anticancer chemotherapeutic drugs (2012)
  • 著者名/発表者名: Stathopoulou A, Roukos V, Petropoulou C, Kotsantis P, Karantzelis N, Nishitani H, Lygerou Z, Taraviras S
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 7(3) ページ: e34621
• [雑誌論文] Dynamic recruitment of licensing factor Cdt1 to sites of DNA damage (2011)
  • 著者名/発表者名: Roukos V, Kinkhabwala A, Colombelli J, Kotsantis P, Taraviras S, Nishitani H, Stelzer E, Bastiaens P, Lygerou Z
  • 雑誌名: J Cell Sci 巻: 124 ページ: 422-434
• [雑誌論文] Positively charged residues located downstream of PIP box, together with TD amino acids within PIP box, are important for CRL4(Cdt2)-mediated proteolysis (2011)
  • 著者名/発表者名: Michishita M, Morimoto A, Ishii T, Komori H, Shiomi Y, Higuchi Y, Nishitani H
  • 雑誌名: Genes Cells 巻: 16(1) ページ: 12-22
• [雑誌論文] Proliferating cell nuclear antigen-dependent rapid recruitment of Cdt1 and CRL4Cdt2 at DNA-damaged sites after UV irradiation in HeLa cells (2010)
  • 著者名/発表者名: Ishii T, Shiomi Y, Takami T, Murakami Y, Ohnishi N, Nishitani H
  • 雑誌名: J Biol Chem 巻: 285(53) ページ: 41993-42000
• [学会発表] New function of PCNA loaders, RFC1-RFC and Ctf18-RFC, in genome stability through PCNA-CRL4Cdt2 mediated Cdt1 degradation (2011)
  • 著者名/発表者名: Yasushi Shiomi, Akiyo Hayashi, Naohiro Suenaga, Miyuki Tanaka, Jun-ichi Nakayama, Kaoru Sugasawa, Hideo Nishitani
  • 学会等名: 34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] M期キナーゼPlk1はCdk1-CyclinBとともにライセンス化因子Cdt1をリン酸化してM期に分解から守る (2011)
  • 著者名/発表者名: 村上祐輔、前田武志、岸ちひろ、松本雅記、中山敬一、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] CRL4Cdt2によるCdt1のユビキチン化はCdt2のPCNAへの結合を必要とする (2011)
  • 著者名/発表者名: 石井健士、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] DNA損傷時におけるユビキチンリガーゼCRL4Cdt2の活性化制御機構 (2011)
  • 著者名/発表者名: 坂口洋貴、安谷賢識、林晃世、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] PCNA-CRL4Cdt2によるライセンス化因子Cdt1のユビキチン化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 石井健士、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第21回DNA複製・組換え・ゲノム安定性制御ワークショップ
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-10-26
• [学会発表] Plk1によるDNA複製ライセンス化因子Cdt1のM期安定化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 前田武志、村上祐輔、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第21回DNA複製・組換え・ゲノム安定性制御ワークショップ
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-10-26
• [学会発表] DNA複製時に機能するCRL4-Cdt2によるユビキチン化反応のin vitro再構成とその活性制御機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林晃世、末永尚弘、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第21回DNA複製・組換え・ゲノム安定性制御ワークショップ
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-10-26
• [学会発表] M期のDNA損傷に応答したCdt1分解による新規のDNA損傷チェックポイントの可能性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 森野公之、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第21回DNA複製・組換え・ゲノム安定性制御ワークショップ
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2011-10-26
• [学会発表] Cdt1 and CRL4/Cdt2 were recruited rapidly to UV-induced DNA damage site dependent on PCNA-binding (2010)
  • 著者名/発表者名: Ishii T, Shiomi Y, Murakami Y, Nishitani H
  • 学会等名: The 7th 3R(Replication, Recombination and Repair) Symposium
  • 発表場所: Toyama
  • 年月日: 20100000
• [学会発表] 複製と損傷に応答して機能するユビキチンリガーゼCRL4-Cdt2の制御機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 塩見泰史・西良太郎・菅澤薫・中山潤一・西谷秀男
  • 学会等名: 33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] Cdt1のM期安定化分子機構の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 村上裕輔・岸ちひろ・松本雅記・中山敬一・塩見泰史・西谷秀男
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] ライセンス化因子Cdt1はPCNA依存的にDNA損傷部位に集積し分解される (2010)
  • 著者名/発表者名: 石井健士・塩見泰史・西谷秀男
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] DNA損傷時におけるユビキチンリガーゼCRL4Cdt2の活性化制御機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 坂口洋貴・安谷賢識・高見俊宏・塩見泰史・西谷秀男
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] 複製因子PCNAに依存したユビキチン化システムによる染色体維持機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塩見泰史、石井健士、道下雅人、高見俊宏、大西奈保、西谷秀男
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] 紫外線に応答したヒトCul4-DDB1Cdt2による細胞周期連携因子のユビキチン化と分解機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塩見泰史、石井健士、中山潤一、西谷秀男
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-12-10
• [学会発表] DNA損傷部位へのCul4/DDB1/Cdt2複合体の基質認識サブユニットCdt2の局在化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石井健士、塩見泰史、大西奈保、西谷秀男
  • 学会等名: 31回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-12-10
• [学会発表] 染色体複製制御因子Cul4-DDB1-Cdt2ユビキチンリガーゼによる基質認識機構の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 道下雅人、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第20回DNA複製・組換え・修復ワークショップ
  • 発表場所: 滋賀県彦根市
  • 年月日: 2009-11-02
• [学会発表] 細胞周期進行制御因子Cdt2の解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 高見俊宏、塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第20回DNA複製・組換え・修復ワークショップ
  • 発表場所: 滋賀県彦根市
  • 年月日: 2009-11-01
• [学会発表] 紫外線に応答したヒトCul4-DDB1^<Cdt2>によるCdt1のユビキチン化と分解機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塩見泰史、西谷秀男
  • 学会等名: 第20回DNA複製・組換え・修復ワークショップ
  • 発表場所: 滋賀県彦根市
  • 年月日: 2009-11-01
• [図書] CDKインヒビターp21の分解による細胞周期の制御生体の科学 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塩見泰史、西谷秀男、釣本俊樹
  • 総ページ数: 527-532
• [備考]
  • URL: http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/biosig/japanese/Top.html