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2012 年度 実績報告書

生体膜リン脂質非対称性の変化が制御する細胞機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21370085
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 一馬  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (60188290)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード膜脂質の非対称性 / 酵母 / フリッペース / フォスファチジルセリン / 細胞内小胞輸送 / エンドソーム / ゴルジ体
研究概要

真核細胞の生体膜では、リン脂質の分布が脂質二重膜の細胞質側層とその反対側の層で大きく異なること(リン脂質の非対称性)が知られている。しかし、その生理機能については多くが不明である。本研究では、出芽酵母をモデル系に用いて、リン脂質非対称性を制御するタンパク質の機能と制御機構について解析し、以下の成果を得た。
(1) Cdc50-Drs2フリッペースによる輸送小胞形成機構の解析
Cdc50-Drs2フリッペースは脂質を細胞質側層へ輸送することにより小胞形成を促進すると考えられている。F-boxタンパク質Rcy1は、触媒サブユニットDrs2のC末端領域に結合し、この結合はDrs2の機能発現に重要であることが示唆されている。今回、Drs2のC末端領域の点突然変異体を新たに取得し、Drs2とRcy1との結合がCdc50-Drs2による輸送小胞の形成に必須であることを明らかにした。
(2) 細胞膜における脂質非対称性の形成機構の解析
フォスファチジルセリン(PS)特異的に結合するGFP-Lact-C2を用いた解析から、細胞膜では細胞質側層にPSが局在しているが、ゴルジ体やER膜の細胞質側層にはPSが存在しないことが明らかになっている。今回、PSはゴルジ体での分泌小胞形成の際に内腔側層から細胞質側層へ輸送されること、また、この輸送には既知のフリッペースは関与しないことが示唆された。一方、酵母の全遺伝子を網羅的に破壊した変異株シリーズにGFP-Lact-C2を発現させ、その局在異常を示す株を検索した。その結果、エンドサイトーシスを経て初期および後期エンドソームから後期ゴルジ体へ向かう小胞輸送経路の変異株では、PSは内膜系の細胞質側に露出されることが明らかとなった。PSは、これらの小胞輸送経路で細胞膜へとリサイクルされることにより、その細胞膜特異的な局在が維持されるものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Phospholipid flippases Lem3p-Dnf1p and Lem3p-Dnf2p are involved in the sorting of the tryptophan permease Tat2p in yeast2013

    • 著者名/発表者名
      Hachiro T, Yamamoto T, Nakano K, Tanaka K.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 288(5) ページ: 3594-3608

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.416263

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of a second amphipathic lipid-packing sensor like motif that contributes to Gcs1p function in the early endosome-to-TGN pathway.2013

    • 著者名/発表者名
      Zahra Zendeh-boodi,Takaharu Yamamoto, Hiroshi Sakane, and Kazuma Tanaka.
    • 雑誌名

      J Biochem

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [学会発表] エンドサイトーシスーリサイクリング経路におけるアレスチン様タンパク質Art5pとDnf1/2pリン脂質フリッパーゼとの相互作用2012

    • 著者名/発表者名
      山神 香菜子、山本 隆晴、武田 美代子、湯田 彬子、田中 一馬
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡(福岡)
    • 年月日
      20121216-20121216
  • [学会発表] Isolation and characterization of novel mutations in CDC50, the non-catalytic subunit of the Drs2p phospholipid flippase.2012

    • 著者名/発表者名
      Konomi Fujimura-Kamada, Yasuhiro Takahashi, Satoshi Kondo, and Kazuma Tanaka.
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡(福岡)
    • 年月日
      20121215-20121215

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公開日: 2014-07-24  

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