研究課題
ライブクレム(Live CLEM)とは、蛍光顕微鏡を用いて特定分子を観察した後に、同じサンプルを電子顕微鏡で観察する方法であり、生きた細胞の蛍光観察から得られた分子ダイナミクスと、電子顕微鏡観察から得られたナノメートルオーダーの超構造解析を同一試料で比較することにより分子特異的なナノイメージングが達成できる。本研究課題は、これまで独自に開発してきたライブクレム法をさらに発展させ、より汎用性が高く・空間精度の高いナノイメージング法を開発することを目的とする。具体的な目標としては、1)これまで接着細胞に限定されていた適応範囲をより広い生物試料に広げることと、2)蛍光像と電顕像の位置合わせの精度を向上させることである。本年度は、項目1)として、これまでライブクレム観察が不可能だった浮遊性細胞、分裂酵母に対して、細胞が動かないように固定(immobilize)していた方法に工夫を加えることによって方法の最適化を行い、分裂酵母に適応できるライブクレム法を確立した。遺伝学的解析が容易な分裂酵母での成功は、分子レベルの変化をナノレベルでの細胞構造変化に関連付けることが可能となるため、生命現象の理解のために特に有用である。項目2)では、蛍光顕微鏡像と電子顕微鏡像の位置合わせの精度を向上させることを試みた。位置合わせの指標として細胞内に人工的なプラスティックビーズ(直径1マイクロメートル程度)を挿入し、その位置情報を元に、蛍光像と電顕像の位置決めを行い、これによって位置合わせが容易になることを確認した。この方法は、入れたビーズによって細胞機能が変化する可能性があるのが難点ではあるが、位置合わせの精度を上げることには有効であることが明らかになった。
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