研究概要 |
本研究では線虫 C. elegans を材料にして、セマフォリンシグナルとTOR シグナルの関係を遺伝学的・生化学的に解明した。これまでの TOR シグナルの研究からRaptor, Rictor という2種類のアダプタータンパク質は相互排他的に mTOR と結合してTORC1, TORC2 という全く機能のことなる複合体を形成することが知られていたが、2種の複合体形成調節のメカニズムについてはほとんど知られていなかった。 本研究の結果、セマフォリンシグナルが TORC2 形成から TORC1 形成へのシフトを促すことが明らかになった。さらに、この複合体形成調節を介して、セマフォリンシグナルがそれぞれの TORC 下流因子の活性化状態を変化させること、そして、このことが細胞形態の変化を引き起こすことを見出した。
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