研究分担者 |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
福岡 義之 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (20265028)
林 直亨 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (80273720)
狩野 豊 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (90293133)
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研究概要 |
本年度の主要な目的は,非定常状態としてサイン波状運動負荷を中心に,新たな運動負荷テスト法の開発に関する基礎的研究と,次年度以降に予定している妥当性を検討するための実験を遂行するための準備とそれらへの予備実験を行うことであった。基礎的な生理的応答を同時かつ多様に観察することが可能な両膝伸展運動装置を開発し,サイン波状の負荷変動を与えた際のガス交換,中心・末梢循環,発汗などの応答を高い時間分解能で測定するシステム系を構築した(福場・古賀)。また,次年度以降の理論解析に供するための実データの一部として,新たな提案を指向する指数関数型漸増負荷(その負荷システム開発完了)ならびに通常のランプ負荷の両タイプの最大運動負荷試験を,若年者を対象に予備実験的に測定した(福場)。トレッドミルの歩行速度をサイン波状に変動させる運動負荷システムならびに,その時のガス交換・循環諸変量の応答を測定するシステムを確立した。すでに高齢者と若年者を対象に本実験を実施し,若年者と比較して,応答の振幅が減弱するといった高齢者の特徴を明らかにした(福岡・福場)。また,ヒトを対象とした運動負荷テストの生理的妥当性を確認するために,ランプ負荷自転車エルゴメータ運動中,交感神経系応答の簡便な指標である瞳孔径の変化を観察する本実験の実施(林・福場),両膝伸展ならびに自転車エルゴメータによるランプ負荷運動中,大腿筋群への多チャンネルNIRS装置適用による脱酸素化(Hb+Mb)量の空間不均一性評価と筋電図積分値の同時計測系の確立と予備実験の実施(古賀・福場),をそれぞれ行った。加えて,小動物を対象とした筋収縮中の筋内酸素消費動態をin vivoで明らかにする酸素クエンチング法による測定系の確立を行い,運動負荷の模擬様式として単収縮と強収縮の2パターンを検討し,両条件で数値モデルとして評価可能であることを確認した(狩野・福場)。
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