コースマッピングによる解析の結果、ステイグリーン突然変異体nyc4の原因遺伝子は第3染色体と第7染色体にマップされることが分かった。このことは両方の領域が突然変異体型ホモであることがステイグリーン表現型に必要であることを示す。加えて野生型とnyc4のF1が稔性が低いことから、nyc4は相互転座により引き起こされたと考えた。nyc4の葉を用いてマイクロアレイを試みたところ、第7染色体上に極めて発現が低下している遺伝子を見出した。この遺伝子の周辺配列をInverse PCRにより増幅し、塩基配列を検討したところ、nyc4ではこの遺伝子が第3染色体上の遺伝子と融合していることが分かった。このことから、nyc4ではこの遺伝子と第3染色体上の遺伝子の間で相互転座を起こし、両遺伝子の機能が喪失していると推察された。 イネ品種日本晴由来のステイグリーン突然変異fsg1は、日本型品種銀坊主とのF2交雑集団を用いたコースマッピングにより、第7染色体上にマップされることが明らかになっている。昨年度までに第7染色体が日本型に置き換わったKasalath/コシヒカリ染色体部分置換系統とfsg1の交配系統F2系統を作成し、本年度はそれらの集団を用いて高精度マッピングを開始した。しかしこの形質は出穂期の影響を受けるため、高精度マッピングには出穂期が揃った集団を用いることが必要と判断し、F2個体のうち、第7染色体がヘテロになっている系統からF3種子を採種した。本格的な高精度マッピングは平成24年度にこの集団を用いて行うこととした
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