感受性品種と抵抗性準同質遺伝子系統(E15)との交雑後代約4千個体(F_2世代)を栽培した。生育中の植物体から調製した全DNAを用いて抵抗性遺伝子の座乗領域両端に位置するDNAマーカーの遺伝子型を解析し、種子を得ることができた2645個体からこの領域内で組換えを生じた染色体を持つ53個体を選抜した。現在、温室で組換え型染色体を固定した系統の育成を進めている。また、抵抗性遺伝子座乗領域の物理地図を作成するためにBAC末端配列による新規クローンの単離と整列化を進めた。しかし、HindIII消化のBACライブラリーから新たにウォーキングすることができなくなったため、抵抗性準同質遺伝子系統のゲノムDNAをEcoRIあるいはMboIで部分消化することにより新規BACライブラリーを作製した。各制限酵素について、それぞれ、リョクトウの総ゲノムサイズの約3倍量のBACライブラリーを構築し、スクリーニング用の3次元プールを作製した。一方、単離したBACクローンの両端配列を解析し、ダイズのゲノム配列情報に相同検索を行ったところ、第4染色体と第6染色体に高い相同性を示す領域が存在することが明らかになった。さらに、抵抗性準同質遺伝子系統から溶媒抽出やカラムクロマトにより生育阻害活性を示す画分を調製した。同様な手順で感受性系統から調製した画分との間でLC-MSによりフラグメントパターンを比較したところ、ESI negative-modeにおいて521.3m/zを示す、抵抗性系統に特異的に出現する物質を見いだした。
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