研究概要 |
平成21年度補正予算で、農林水産省ならびに経済産業省から緊急的かつ重点的に予算配分された植物工場推進事業とも密接な関わり合いがある本研究課題は、トマトの収量を欧米並みの50ton/10aの超高収量に引き上げることが可能な、栽培プラットホーム(プラットフォーム)を確立することであるが。低段密植栽培システムのうち1段または3段密植栽培に絞ってシステムの開発・評価を行っている。 本年度は特に多段栽培との切換も可能な3段栽培システムの開発と、栽培ベンチの移動も可能な1段密植栽培の二つのシステムの開発・評価を行った。 低段・多段栽培の切換を前提とした3段密植栽培では、9cmの不織布ポットにRW粒状綿を充填し、培養液を点滴灌液する簡易なシステムで、6,600株/10aの密植栽培を行い。40ton/10aに近い超高収量を実現した。目標の50t/10aには今ひとつであるが、品種の検討、育苗システムの検討により収量増が期待される。 一方の1段栽培システムは、上記システムと同様な栽培方法であるが、栽培ベンチを移動することにより、通路の不要なスペースをなくすことで15,000株/10aに近い超密植栽培を行いながら、安定的に超高収量を得る方法を検討している。具体的には、移動ベンチシステムの開発、移動ベンチシステムに適した培養液供給システムの開発、移動ベンチシステムを前提とした部分的な経済的補光システムの開発を行っており、本年度については、主として基礎的な開発を行い、LEDを含む補光用光源の検討や移動ベンチシステムの基本的設計開発を行い、本法式の高い実現性を確認した。
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