(1)高格社寺における歴史調査・事例現地調査 21年度調査の継続として、石清水八幡官(京都府)、出雲大社(島根県)などを対象地とし、現地踏査により、地形、水系、森林、都市施設(道路、その他社寺、公共施設等)の配置などの確認とともに、主要拠点からの景観の記録を行い、景観構造解析のための基礎情報を収集した。特に社寺の立地特性を特に自然環境条件との関係から把握するために、「遥拝」軸上の縦断線形の把握に重点をおいて調査を行った。 (2)高格社寺における景観構造解析 21・22年度に実施した高格社寺の一部について、数値地図、空中写真、地形図などを用いた空間構造および景観の解析をGISを用いて行った。解析は10mメッシュの細密な数値地図を用いて微地形の把握に注意し、また周辺環境と一体的な景観を把握するために、数値地形モデルを用いた3次元空間上の特性解析を重点的に行った。また、社寺の立地特性を特に自然環境条件との関係から把握するために、「遥拝」軸上の縦断線形分析の手法を使用し特徴把握を行った。 (3)低格社における歴史調査・事例現地調査 ローカルな地域レベルにおける低格の神社とその周辺地域の調査のための候補地を検討した。当初予定していた候補地である、関東地方中~東部において集中的に分布していることが知られている氷川神社の分布地域に加え、西日本における事例として滋賀県湖東地域の小規模神社についても予備調査を行い、神社の立地特性の多様性を把握しながら、悉皆的調査に向けて対象地の絞りこみを行った。
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