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2009 年度 実績報告書

カプシクム属植物トバモウイルス抵抗性遺伝子の階層的ウイルス認識の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21380032
研究機関(財)岩手生物工学研究センター

研究代表者

小林 括平  (財)岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 主任研究員 (40244587)

キーワード植物 / ウイルス / 抵抗性 / 認識 / 相互作用
研究概要

植物のウイルス病には有効な薬剤がなく,抵抗性品種の利用が主な防除手段であるが,変異ウイルスによる抵抗性の打破が問題となっている。変異ウイルスによって打破されることなく,持続的に利用可能な抵抗性遺伝子の開発を目標とし,本研究では,抵抗性タンパク質による病原体認識の分子機構を明らかにすることを目的とする。既にクローン化したカプシクム属植物のトバモウイルス抵抗性遺伝子,L1,L2,L2b,L3およびL4は,それぞれ対立遺伝子の関係にあり,付された番号が大きいほど広い病原体認識範囲を示すCC-NB-ARC-LRR型の抵抗性タンパク質をコードし,トバモウイルスの外被タンパク質(CP)を認識する。これらのキメラ解析および点変異導入によってLRRドメインがトバモウイルス特異性および認識範囲を規定していること,これらの1127番目のアミノ酸が認識範囲の決定に特に重要であること,およびそれ以外のアミノ酸配列も認識範囲に影響することを明らかにした。ヘマグルチニン(HA)タグを挿入したL3タンパク質(HA-L3)が機能すること、抗HA抗体によってその蛋白質を検出できること,L3およびこれとL1,L2またはL4とのキメラLタンパク質をトバモウイルスCPと共発現させた植物において,CPがLタンパク質と免疫共沈すること,Lタンパク質と各病原型トバモウイルスCPとの物理的な相互作用と抵抗反応との間に相関があることを明らかにした。また,CCおよび/またはNB-ARC領域も認識範囲の決定に与ることが示唆された。Lタンパク質によるトバモウイルスCP認識に関与する第三の因子を同定することを目的に,ベンサミアーナタバコのcDNAライブラリーをLタンパク質のCC-NB-ARC領域をベイトとした酵母ツーハイブリッドスクリーニングに供し,これまでに数個の候補クローンを得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A protein containing an XYPPX repeat and a C2 domain is associated with virally induced hypersensitive cell death in plants2009

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, M., Tomita, R., Kobayashi, K.
    • 雑誌名

      FEBS Letter 583

      ページ: 2552-2556

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recombinant plant dsRNA-binding protein as an effective tool for the is olation of viral replicative form dsRNA and universal detection of RNA viruses2009

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, K., Tomita, R., Sakamoto, M.
    • 雑誌名

      Journal of General Plant Pathology 75

      ページ: 87-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Single amino acid substitution in the methyltransferase domain of Paprika mild mottle virus replicase proteins confers the ability to overcome the high temperature-dependent Hk gene-mediated resistance in Capsicum plants2009

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, K., Johnishi, K., Hamada, H., Sawada, H., Takeuchi, S., Kobayashi, K., Suzuki, K., Kiba, A., Hikichi, Y.
    • 雑誌名

      Virus Research 140

      ページ: 98-102

    • 査読あり
  • [学会発表] トバモウイルス感受性 Nicotiana tabacum が持つN'の感受性アリルは部分的遺伝子重複によって破壊されている2009

    • 著者名/発表者名
      小林括平・冨田麗子
    • 学会等名
      日本植物病理学会東北部会
    • 発表場所
      宮城大学食産業学部
    • 年月日
      2009-09-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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