研究課題/領域番号 |
21380036
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伴野 豊 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50192711)
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研究分担者 |
山本 公子 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域昆虫ゲノム研究情報解析ユニット, ユニット長 (40370689)
横山 岳 東京農工大学, 共生科学技術研究科, 准教授 (20210635)
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キーワード | ミュータジェネシス / カイコ / 凍結保存 / 化学変異源 / 遺伝資源 / クワコ / 突然変異 / SNPs |
研究概要 |
ポストゲノム時代においても多様な遺伝的変異体が研究発展に大きな役割を果たす。そこで、本研究ではEMU(エチルニトロソウレア)、MNU(メチルニトロソウレア)を用いたランダムミュータジェネシスによる新たな変異体の開発、その保存方法の開発を目標にしている。昨年度、本変異源の有効性が明らかとなったので本年度は最適な処理濃度の検討を行い、ENUでは25mMから100mM、MNUでは10mMから50mMに絞り込まれた。同時に形質調査を行い、幼虫皮膚が透明になる個体、過剰な附属肢を持つ個体、皮膚の斑紋が異常になる個体等が処理当代に得られた。G2世代の調査では遺伝性を確認できなかったが、G3世代を得たので次年度以降遺伝解析を継続する予定である。凍結保存によるリソース維持の構築では、昨年度卵巣を用いた凍結法に成果を得たので精巣にも適用する事にした。成功率は卵巣の40%に比べ、低率であるが2%の個体では凍結精巣から再生させることができた。尚、この技術はカイコの祖先種であるクワコにも有効な可能性を示唆する結果を得た。成功率の向上が次年度以降の雪課題となった。単為発生による系統の維持法として、炭酸水も有効である事を認めた。SNPs解析の結果、第16,23連鎖群に原因遺伝子があることが判明していた致死変異体のうち、第16連鎖群のものは交配実験から既存の変異体姫日油(ohi)のアレルであることが判明した。既知のohiは幼虫皮膚が透明となる点は今回解析した規変異体と同様であるが、致死はみられない。新たな変異体が見出されたことになる。カイコリソースの遺伝変異を拡大する為、クワコの遺伝変異を探索した結果、蛹期に黒色となる変異を発見する等の成果を得た。
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