研究課題/領域番号 |
21380037
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 進 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20187454)
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研究分担者 |
高木 正見 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20175425)
青木 智佐 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20264103)
飯山 和弘 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (70325489)
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キーワード | 昆虫病理 / 社会性昆虫 / イエシロアリ / 触角 / 昆虫病原糸状菌 / 匂い / 分離法 / 系統分類 |
研究概要 |
現在、地球上で記載さえている動物種の約72%が昆虫である。種数では全昆虫の2%にすぎない社会性昆虫が、生物量では5割以上となり、地球上で最も繁栄しているともいえる。繁栄した要因として社会システムを獲得したことを挙げることができるが、病原微生物に対してそのシステムがどのように機能しているかについては不明の点が多い。本研究は,病原微生物に対する社会システム(社会性昆虫特有の防御メカニズム)の全体像を明らかにすることを目的としている。 引き続き触角における昆虫病原性糸状菌の反応を調査した。触角除去によりグルーミング効率が明らかに減少し、病気抵抗性の減少を再確認した。さらに、昆虫病原性糸状菌の揮発性物質が病気抵抗性に関与していることが判明した。また、6種昆虫病原性糸状菌の接種により明らかにシロアリの行動変化が認められた。来年度は標準物質を使い同様に感覚子が反応するか、刺激に必要な最低濃度など匂い刺激に対する基本的なデータを取得する予定である。 イエシロアリに強い病原性のあるMetarhizium属糸状菌を日本各地の土壌より分離し、系統解析を行った結果、我が国には既報の7種1変種と2種の新種が存在することが明らかになった。また、本研究により5種1変種は初めて我が国での存在が確認された。シロアリ類などの社会性昆虫との関わりが深い森林にはその内の2種が多く存在することから、森林環境とシロアリ、さらにその病原菌の関係について興味深い結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会性昆虫特有の菌類に対する病気抵抗性が単独性昆虫と比較においてその全貌が明らかにされつつある。また、病原菌に対する社会性昆虫の行動異常と病気抵抗性との関係に触角が関与している事が明確になった。以上のことから(2)おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
菌類に対する病気抵抗性の大部分は触角上の感覚子によることが明らかになりつつある。このことから研究の方向性は変更せず、予定通りにに行う。また、上記社会性昆虫の病気抵抗性メカニズムを考慮した、シロアリ類の防除法を検討するとともに本研究の評価と4年間の実験をまとめて報告書を作成する。また、その成果を国際誌に発表する。
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