研究課題/領域番号 |
21380038
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
高務 淳 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (80399378)
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研究分担者 |
仲井 まどか 東京農工大学, 共生科学技術研究科(研究院), 准教授 (60302907)
篠田 徹郎 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, 制御剤標的遺伝子研究ユニット長 (10355620)
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キーワード | 昆虫 / ウイルス |
研究概要 |
昆虫ウイルス感染幼虫のホルモン動態等の生理的特徴を明らかにし、昆虫ウイルスがコードする昆虫の内分泌操作にかかわる遺伝子とその機能を明らかにすることにより、昆虫ウイルスによる宿主昆虫の内分泌系操作のメカニスム、ひいては、発育制御のメカニスムを明らかにすることを目的としている。本研究の究極的な目的は、昆虫ウイルスが進化の過程で得た、宿主の内分泌制御の至近的要因と進化的な意義を解明することであり、ウイルスを用いた害虫制御技術の高度化、病気の制御法の施策への貢献、昆虫の内分泌系制御の解明への寄与を狙ったものである。 今年度は、ウイルスゲノムのドラフト配列をさらに精密に解析を行い、正確な遺伝子配列を得ること、得られたゲノム配列から、さらに内分泌操作にかかわる遺伝子を探索すること、酵素活性の解析を行うこと、より詳細にホルモンタイター等の情報を得ること、ウイルスの培養に最適な培養細胞を探索し、組み換えウイルス作成のためのベクターを構築することを計画し、以下の成果を得た。 ゲノム配列を精彩に解析し、ウイルスゲノムの完全長配列を得ることができ、目的遺伝子の探索や活性調査をさらに進めることができた。ホルモンタイターについては、特に、健全虫およびウイルス感染虫の幼若ホルモン活性に関する情報を得ることができた。また、本ウイルスが増殖可能な培養細胞を発見し、ウイルスの活性測定などのウイルスのIn Vitroにおける操作に必要な仕事に使用可能であることを明らかにした。特に、ウイルスをクローニングする際に有効なプラークアッセイ法を確立できた。これにより、ウイルスがコードする遺伝子をノックアウトした組み換えウイルスの作成に大きく前進した。
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