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2011 年度 実績報告書

昆虫ポックスウイルスのタンパク質:その網羅的探索とフゾリンの農薬への利用技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 21380044
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

三橋 渡  独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫微生物機能研究ユニット, 上級研究員 (00414946)

キーワード昆虫ポックスウイルス / 核多角体病ウイルス / ゲノム解析 / 代替え宿主 / 立体構造
研究概要

1.AcEPVゲノム解読結果確認とアノテーション改良
ゲノム末端部のシーケンス確認は、末端部にアダプターを結合させ、アダプター配列を一方のプライマー配列としてPCRを行い、シーケンスすることにより行った。また、得られたシーケンス中の、BamHI、HindII、PstIの各切断配列をはさんだ数百bpのシーケンスとダイレクトシーケンスの結果を照合した結果、両者は一致した。また、ORF(CDS)予測の精度を上げるために、Silva and Upton(2005)の方法を適用し、前年度のアノテーション結果を改良した。
2.フゾリン、スピンドルの効率的大量生産法の開発
代替え宿主の探索では、ヒメコガネ、アカチャケブカコガネ、コフキコガネ、マメコガネ幼虫を対象にしたが、感染が確認された種類はなかった。
3.AcEPVタンパク質の網羅的同定
精製包埋体サンプルの2次元電気泳動で分離したタンパク質スポット53個をゲルから切り出し、MS解析を行った。ゲノムから想定されるORFと類似のものは少しあったが、ORF由来と確認できた配列はなかった。これは、包埋体の難溶解性によるコンタミタンパク質の相対的増加が主な原因と考えられる。対応策として、サンプル用としてウイルス粒子自体の精製を行ったので、至急解析に進む予定である。
4.封入体の立体構造の解析
スピンドルの原子構造が1.9オングストロームの解像度で解明された(主にニュージーランドAuckland UniversityのDr.Metcalfの作業)。スフェロイドは3.2オングストロームまで解像できた(主にオーストラリアMonash University ClaytonのDr.Coulibalyの作業)。
5.微生物農薬の一種BT剤の殺虫力に対するスピンドルの影響
カイコ幼虫に対するBT剤の殺虫力を強化することを発見した。詳細な解析では、BT剤中の毒素タンパク質、胞子双方の殺虫力を強化することが判明した。スピンドルによるBTの殺虫力強化は世界初の知見である。

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公開日: 2013-06-26  

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