研究概要 |
1) 43P株のL-gluconate dehydrogenase遺伝子クラスターの機能解析----前年度までに見出したL-gluconate dehydrogenase遺伝子を含む遺伝子クラスター(lgn gene cluster)を構成する遺伝子のうち、酵素機能を担うと推定された5遺伝子(lgnE, F, G, H, I)について、大腸菌を宿主とした発現・産物の精製を行い、各酵素活性について検討を行った。その結果、これらの酵素によりL-gluconate以降の代謝が行われ、最終産物として解糖系の中間産物であるpyruvateとglyceraldehyde-3-phosphateが生じることが明らかとなった。 2) 各酵素の反応産物の同定----LgnH (L-gluconate dehydrogenase)、LgnI (D-idonate dehydrogenase)、LgnE (D-idonate dehydratase)の反応産物について、HPLC及びNMRにより分析し、予想される化合物が生じることを明らかにした。また、LgnF (2-keto-3-deoxygalactonate kinase)及びLgnG (2-keto-3-deoxygalactonate-6-phosphate aldolase)反応については、酵素カップリング反応を用いて、その産物がpyruvateとglyceraldehyde-3-phosphateであることを明らかにした。 3) Paracoccus sp. 43P株の形質転換系の確立と遺伝子破壊株の作製----43P株が大腸菌との接合伝達により形質転換可能であることを明らかにし、suicide vectorを用いた遺伝子破壊系を構築した。現在lgdA, lgnH, lgnI, lgnFの各遺伝子の破壊株を作製している。
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