研究課題
Pseudomonas属細菌(1種)、Enterococcus属細菌(3種)、およびLactobacillus属細菌(1種)に由来する芳香族アミノ酸脱炭酸酵素の遺伝子クローニングと大量発現系の構築を終了し、全ての酵素について精製プロセスを確立した。この中で、Pseudomonas属由来酵素はL-ドーパに対して極めて特異性が高く、本酵素を植物アルカロイド生合成遺伝子群を導入した組換え大腸菌細胞内で共発現させることにより、ベンジルイソキノリンアルカロイドの重要な生合成中間体であるレチクリンを著量生産することに成功している。また、今年度は乳酸菌由来酵素の大腸菌組換え体についてもさらに性状評価を進め、4種全ての酵素についてチロシンに対するミカエリス定数および至適pH等の性状を確定した。タンパク質の立体構造については良質の結晶を得たものの成功に至らなかったが、現在全ての酵素についてさらに精緻な結晶化条件探索を続けている。また、発酵食品の仕込み中において、乳酸菌の芳香族アミノ酸脱炭酸酵素により頭痛・血圧上昇等の危害要因となるチラミンが著量産生される可能性があるため、発酵食品中の乳酸菌存在プロファイルの解明も試みた。解析手法として次世代シークエンサーによる16SrRNA遺伝子配列解析法を採用し、発酵プロセス中における菌叢変遷を詳細に把握した。特に、「なれずし」および「かぶらずし」といった日本固有の伝統発酵食品について解析を完了し、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素の主要保持種であるL.brevisの存在分布等を明らかにした。
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