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2011 年度 実績報告書

食糧関連酵素のループ機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21380064
研究機関京都大学

研究代表者

三上 文三  京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)

キーワード酵素 / X線結晶構造解析 / タンパク質工学 / 酵素反応機構 / タンパク質構造変化
研究概要

食糧関連酵素の機能に大きくかかわる可動ループ部分の構造変化のメカニズムの解明および新たな可動ループの設計を行うために、実際に食品産業において用いられているβ-アミラーゼ、アルギン酸リアーゼ、プロテイングルタミナーゼおよびトランスグルタミナーゼについて、これらの酵素のループの構造と機能を徹底的に解明することを目的として研究を行った。β-アミラーゼとアルギン酸リアーゼについては、基質の取り込みと生成物の放出に重要な可動ループ上のアミノ酸変異体を作成し、可動ループの構造と機能の解析を行った。β-アミラーゼの構造変化は結晶中で容易に観察できるため、種々の変異体を作成して、活性部位近傍に存在する二つ可動ループ(フレキシブルループとインナーループ)の構造変化と基質アナログ濃度との関係を結晶中で定量的に測定することができ、基質の取り込みから生成物の遊離の過程における酵素の一連の構造変化を推定することが可能になった。アルギン酸リアーゼについても結晶中でのリッドループの構造変化の詳細と酵素反応機構を明らかにした。一方、プロテイングルタミナーゼとトランスグルタミナーゼについては、活性部位を覆うプロ酵素のループ上のアミノ酸変異体を作成し、これらの酵素の触媒機構とプロ酵素における不活性化の機構を明らかにすることを目的として研究を行った。その結果、プロテイングルタミナーゼについては、プロ領域の変異体であるA47Qによって、結晶化条件にアンモニアイオンが存在するときにはミカエリス型の複合体が生成し、アンモニアイオン非存在下では酵素反応の共有結合中間体であるS-アシル酵素が生成することを結晶構造から明らかにし、本酵素の触媒機構を決定することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray analysis of alginate importer from Sphingomonas sp.Al.2012

    • 著者名/発表者名
      Maruyama Y, Itoh T, Nishilani Y, Mikami B, Hashimoto W, Murata K
    • 雑誌名

      Acta Crystallogr Sect F Struct Biol Cryst Commun

      巻: 68 ページ: 317-320

    • DOI

      10.1107/S1744309112001893

    • 査読あり
  • [雑誌論文] X-ray structures of transferrins and related proteins2011

    • 著者名/発表者名
      Mizutani K., Toyoda M., Mikami B
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta

      巻: 1820 ページ: 203-211

    • DOI

      DOI:10.1016/j.bbagen.2011.08.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structures of protein glutaminase and its pro forms converted into enzyme-substrate complex2011

    • 著者名/発表者名
      Hashizume R., Maki Y., Mizutani K., Takahashi N., Matsubara H., Sugita A., Sato K., Yamaguchi S., Mikami B
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem

      巻: 286 ページ: 38691-38702

    • DOI

      DOI:10.1074/jbc.M111.255133

    • 査読あり
  • [学会発表] X線結晶構造解析によるダイズβ-アミラーゼの反応機構の解明2012

    • 著者名/発表者名
      三上文三、奥村覚二、山田壮介、安達基泰、水谷公彦、高橋延行
    • 学会等名
      日本農芸化学会2012年度大会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] プロ酵素の変異体(A47Q)の構造に基づいたプロテイングルタミナーゼの触媒機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      牧由起子, 他8名
    • 学会等名
      第11回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク(大阪府)
    • 年月日
      2011-06-09

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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